ジャパネットたかたの創業から、会社が急成長するまでの物語。なぜ、ジャパネットたかたで商品は売れて、急成長することができたのか。
■今を生きる
一番の生き方は「今を生きる。」ということ。人間は今を頑張れば明日は変わるんだということを常に思って、いろんなことに挑戦してきた。今の「ジャパネットたかた」があるのは「今を生きる。」ということを一生懸命やってきた結果である。これまで目標というものを持ったことがなく、ただその時、今やるべきことを見つけて、それを一生懸命に、自分の能力の200%、300%を注ぎ込んで、取り組んできただけだった。
今のジャパネットたかたに直接つながっていくことになる、カメラ店の仕事を始めたのは1974年の25歳の時だった。大学卒業後、会社勤めをしていたが、折角入った大きな会社を辞めてしまって、お金もなくなり、故郷の平戸に帰って来ていただけだった。父母は「カメラのたかた」という写真館を経営していた。カメラの販売に、観光地やホテルで観光に来たお客さんの写真を撮って、現像してプリントを販売する仕事を始めていた。
松浦市という町で「カメラのたかた」の支店を任されることになった。松浦支店を始めた時の月商は55万円。これを1年で月300万円の店にしようとした。その頃は、コンパクトカメラが普及し始めていて、フィルムや現像の需要は増加の一途だった。
父が経営していた写真店の佐世保支店を任されていた私が、暖簾分けの形で独立したのは1986年のこと。37歳のだった。大きな会社を作ろうとか、日本一の販売会社を作ろうとか、そんな夢や目標を持ったりしたことは一度もない。毎日毎日、その日できることを、一生懸命、自分の力の300%を注ぎ込んで走り続けてきた。その日、その時をただ「今を生きてきた」。それだけだった。
ラジオショッピングを始める前の年商は2億7000万円。ラジオショッピングを本格的に始めてから、1994年の売上は43億円に。その20年後の2014年にはジャパネットたかたの売上は1500億円を超える規模になった。
「なぜ、ジャパネットたかたでは商品がこんなに売れるのですか?」と訊かれても、どう答えればいいのかわからなかった。ただ、自分が素晴らしいと思った商品を、どうすれば売れるかな、お買い上げ頂くためには商品の魅力をどんな風に紹介すればいいのかなと、そればかり考えてはあれこれ試し、誠心誠意、一生懸命紹介していただけだった。
何度も同じ質問を受けるうちに気づいたことは、商品の本当の魅力を、お客様に「伝える」ことだけでなく、その魅力が「伝わる」ことを本気で考えていたということ。「伝える」と「伝わる」は違う。お客様に、伝わるべきことがしっかり伝わっていなければ、お客様の心は動かない。「伝えたつもり」で終わってしまったら、商品を買って頂くことはできない。それが、ラジオ・テレビショッピングを通して、一番学んだことだった。
著者 高田 明
1948年生まれ。ジャパネットたかた 創業者 A and Live 代表取締役 大学卒業後、阪村機械製作所に入社。入社2年目からヨーロッパに駐在し、機械営業の通訳に従事。 1974年平戸へUターンし、父親が経営していた「カメラのたかた」に入社。観光写真撮影販売から事業拡大し、1986年に分離独立して株式会社たかたを設立、代表取締役に就任。 1990年からラジオショッピング、1994年にはテレビショッピングに参入し、通信販売事業を本格的に展開。 1999年ジャパネットたかたに社名変更。2011、2012年はテレビの販売不振で2期連続減収減益。2013年は、自らの進退を懸けて過去最高益更新の目標を掲げる。テレビに代わる商材の発掘、東京オフィス開設等々が奏功し、目標を達成。2015年1月、ジャパネットたかた社長の座を長男に譲り退任。同時にA and Liveを設立。2016年1月にはMCとしての番組出演も「卒業」。 現在は地方創生への想いから「おさんぽジャパネット」というおさんぽ番組にのみ出演している。
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章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 4分 | |
第1章 今を生きる | p.15 | 24分 | |
第2章 どんなこともつながっている | p.57 | 16分 | |
第3章 できる理由を考える | p.85 | 26分 | |
第4章 伝わるコミュニケーション | p.131 | 42分 | |
第5章 自己更新 | p.205 | 35分 | |
おわりに | p.267 | 3分 |
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