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2017/02/21更新

スタートアップ大国イスラエルの秘密

120分

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中東のシリコンバレーの秘密

数多くのベンチャー企業が生まれ、投資が次々に集まる国イスラエルの仕組みを解説している一冊。


■国をあげて人材育成を行う国
「中東のシリコンバレー」と評されるイスラエルには、現在スタートアップ企業が6000社程度存在する。四国くらいの面積の国土しかない上に半分程度は砂漠で、残り半分の地域にはグローバル企業、スタートアップ企業が密集している。砂漠の真ん中にあるイスラエルだが、石油などの天然資源はほとんど出ない。歴史的には四度の中東戦争を経験し、隣国との緊張関係が続く。貿易による外貨獲得は期待できないため、自国の産業を強化し、付加価値が高い産業を創出する必要性があった。

彼らが教育の中でも特に重要視しているのは、「現在に適応すること」である。より実践的な教育にフォーカスしている。イスラエルの教育プログラムでは、10歳またはそれ以下の年齢から基礎的なプログラミング教育が始まる。12歳からソフトウェア開発やサイバーセキュリティの教育が始まり、15歳までの義務教育後にはより実戦的な内容を選択できる。こうして高校を卒業する18歳までに、世界で渡り合えるレベルの人材が誕生する。
イスラエルには、優秀な人材スカウティングのプロセスがあり、スカウトされた人間は軍に入ってからさらにR&Dセンターで特訓を受ける。兵役が終わる22、23歳頃には、世界レベルの技術力を有する状態になる。

超短要約

イスラエルは「中東のシリコンバレー」と呼ばれ、「イノベーション」が生まれてくる国として知られている。イスラエルの「イノベーション」の源泉は、スタートアップである。スタートアップとは、あるコア技術や特定の付加価値をもとに急速な成長を狙うベンチャー企業のことである。イスラエルは、年間800〜1000社程度のスタートアップが設立される「スタートアップ大国」と呼ばれている。

イスラエルのスタートアップ企業が2015年に集めた資金総額は、44億ドルほどであり、米国の1/15程度である。しかし、地域別の人口比で見ると、イスラエルがトップとなる。

イスラエルはその歴史的な背景から、周りを敵対する国に囲まれている上に、自国内で石油などの資源が出ない。そのため外貨を稼ぐ手段として、頭脳を強化して、R&Dに特化した国づくりを進めてきた。そのため、スタートアップがたくさんあるだけでなく、グローバルに展開するテクノロジー企業の研究・開発期間が300拠点以上存在する。アップル、アマゾン、AOL、インテル、フェイスブック、グーグル、マイクロソフトなど、名だたるテクノロジー企業が拠点を構えている。それも、企業の次世代の商品を開発するR&D拠点や、オープンイノベーションを行う拠点である。

近年、グローバル企業はR&D拠点を設けるだけでなく、イノベーション拠点としてベンチャー企業を支援するアクセラレータを仕掛けることにより、スタートアップ企業が次々に生まれている。こうした好循環の環境が構築されていることから、イスラエルは「国全体がR&D国家」と呼ばれる。

著者 加藤 清司

1980年生まれ。イスラテック代表取締役 大学卒業後イスラエルへと旅立ち2カ月過ごす。帰国後、「イスラエルのハイテク」をテーマに情報発信を開始すると、企業や行政からイスラエルに関する調査の仕事依頼がくるようになり、株式会社イスラテックの創業に至る。

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帯
ライブドア元代表取締役 堀江 貴文

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.2 5分
第1章 イノベーション大国イスラエルのエコシステム p.19 16分
第2章 「ゼロ」から「イチ」をつくるイスラエル起業家たち p.51 12分
第3章 世界が注目するイスラエルのスタートアップ企業 p.75 9分
第4章 イスラエルで活動するグローバル企業 p.93 16分
第5章 イスラエルと連携をはじめた日系企業 p.125 9分
第6章 イスラエル企業とのビジネスのはじめ方 p.143 10分
第7章 イスラエルから世界へ p.163 8分
終 章 日本が発明大国イスラエルの頭脳を活かす道 p.179 7分
おわりに p.194 2分

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