ソフトバンクの社員に求められる孫正義流の仕事術が紹介されている一冊。どのようにして、ソフトバンクでは成果を出すのかが解説されています。
■ソフトバンク三原則
ソフトバンクという会社を一言で表すと「圧倒的なスピードで世界のトップ企業になった会社」である。それは「前例のないことへの挑戦をひたすら繰り返す」ことで可能にした。なぜソフトバンクだけがハイスピードで革新的な事業を展開し続けることができるのか。それは、ソフトバンクが許容できる範囲のリスクでできる全てのことを、片っ端からやっているからである。大きな目標に到達するまでに「様々な手段や手法を試し、小さな成功や失敗を積み上げながら、大きなゴールへ到達する」というプロセスを経ているのである。
この成長の過程で絶え間なく孫社長が回し続けたのがPDCAである。ただし、少しだけPDCAの使い方を工夫していた。
①思いついた計画は、可能な限りすべて同時に実行する
②1日ごとの目標を決め、結果を毎日チェックして改善する
③目標も結果も、数字で管理する
この3つのことをPDCAに組み込み、着実に積み重ねてきたことが、ソフトバンク躍進の最大の秘密である。このPDCAを「高速PDCA」と名付けた。
■孫社長の仕事の特徴
ソフトバンクの孫正義社長の仕事には次の特徴がある。
①「目標へのこだわり」が異常に強い
②目標を達成するために「ありとあらゆる方法」を試している
③「数字で厳密に」試した方法を検証している
④「常に良い方法」がないかと探っている
つまり、PDCAに忠実に仕事をしている。
■高速PDCAの8つのステップ
Plan(計画)
①大きな目標を立てる(週、月単位)
②小さな目標を立てる(1日が原則)
③目標達成に有効な方法をリストアップする
Do(実行)
④期間を決めて、すべての方法を同時に試していく
Check(検証)
⑤毎日、目標と結果の違いを検証する
Action(改善)
⑥検証をもとに、毎日改善する
⑦一番優れた方法を明らかにする
⑧一番優れた方法を磨き上げる
著者 三木 雄信
1972年生まれ。トライオン 代表取締役社長兼CEO 1998年にソフトバンク株式会社に入社。2000年より同社社長室長となる。 Yahoo!BB事業の立ち上げやナスダック・ジャパンの設立、日本債権信用銀行(現あおぞら銀行)の買収案件などにプロジェクト・マネージャーとして関わる。 2006年に独立後、ラーニング・テクノロジー企業「トライオン株式会社」を設立。1年で使える英語をマスターするOne Year English プログラム〈TORAIZ〉を運営し、高い注目を集めている。 自社経営のかたわら、東証一部やマザーズ公開企業のほか、未公開企業の社外取締役・監査役などを多数兼任。プロジェクト・マネジメントや資料作成や、英語活用など、ビジネス・コミュニケーション力向上を通して、企業の成長を支援している。 多数のプロジェクトを同時に手がけながらも、ソフトバンク時代に培った「高速PDCA」を駆使し、現在は社員とともに、ほぼ毎日「残業ゼロ」。高い生産性と圧倒的なスピードで仕事をこなし、ビジネスとプライベートの両方を充実させることに成功している。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
週刊東洋経済 2017年5/20号 [雑誌](バブル全史 最後の証言) スコラ・コンサルタント プロセスデザイナー代表 柴田 昌治 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.1 | 6分 | |
序 章 なぜ高速PDCAなら超スピードで仕事が片づくのか? | p.21 | 18分 | |
第1章 高速PDCAを動かす8ステップ | p.57 | 15分 | |
第2章 月間、週間ではなく「毎日」の目標を設定する[高速PDCAの「P」] | p.87 | 15分 | |
第3章 一つひとつではなく、「同時にすべての手段」を試す[高速PDCAの「D」] | p.117 | 17分 | |
第4章 結果は「数字」で厳密に検証する[高速PDCAの「C」] | p.151 | 13分 | |
第5章 「いちばんいい方法」だけを磨き上げる[高速PDCAの「A」] | p.177 | 11分 | |
第6章 「人の力」は借りて、もっと速くなる | p.199 | 15分 | |
おわりに | p.230 | 5分 |