フィンテックの基本的な説明とフィンテック企業16社の事業を紹介している一冊。今、金融業ではどのような変化が起きているのかがわかります。
■フィンテック1.0
日本では2015年頃からフィンテックという用語が頻繁に使用されるようになってきた。米国では日本より2〜3年早く注目され始め、次第に脚光を浴びるようになった。このフィンテックという用語で多くの人が意味したことは、単なるオンライン証券、オンライン銀行といった従来からある金融サービス業のネット化ということではなく、金融サービスの新たなソリューションの提供である。そうした動きの先陣を切ったのは米国のペイパルである。ペイパルにクレジットカード情報をあらかじめ登録しておけば、IDとパスワードを入力するだけでオンラインショッピングの決済が低コストで完了する。このサービスにより、ペイパルは、従来の支払いシステムに大きな風穴を開けた。
こうしたペイパルの動きに触発され、世界中で非金融分野のベンチャー企業が、支払システムだけでなくローンや資産管理、資金調達、送金、資金運用といった様々な金融分野で誕生していった。
世界は今、第4次産業革命と呼べるような大きなチャンスを迎えている。単なる技術革新ではなく、これまでとはスケールの違う大きな技術進歩の中で、社会の構造を根本的に変えるような、革命と呼べるような変化が起きつつある。その代表の1つが金融分野における産業革命、フィンテックである。
著者 北尾 吉孝
1951年生まれ。SBIホールディングス代表取締役執行役員CEO 野村證券を経て、孫正義氏の招聘によりソフトバンク入社、常務取締役に就任。ソフトバンク・インベストメントを率い、その後、インターネット総合金融グループSBIホールディングスとして独立。
帯 みずほフィナンシャルグループ社長 佐藤 康博 |
帯2 元金融庁長官 五味 廣文 |
帯3 Moven設立者 ブレット・キング |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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第1章 インターネット革命とフィンテックの進化 | p.11 | 10分 | |
第2章 SBIグループの進化の軌跡 | p.27 | 20分 | |
第3章 フィンテック革命の背景 | p.59 | 4分 | |
第4章 躍進するフィンテック企業 | p.65 | 118分 | |
第5章 金融機関の課題と法制度 | p.251 | 16分 | |
あとがき | p.277 | 3分 |