京セラ創業者の稲盛和夫さんの最新刊。人生において大事な考え方を紹介している一冊。
■正しい考え方を持つ
どのような「考え方」を選択するかによって、自分の人生を、素晴らしいものにつくり上げることもできれば、壊すことにもなる。人は誰でも、人生で、思いもよらぬ障害に遭遇する。そんな困難に直面した時、どちらに向いて進むのかは、すべて自分の「考え方」から来る判断である。その1つ1つの判断が集積されたものが、人生の結果となって現れる。ならば、常日頃より、自らを正しい方向に導く「考え方」に基づいた判断をしていれば、どんな局面でも迷うことはない。いつも正しい行動がとれ、結果も素晴らしいものになっていくはずである。
人間とは弱いものである。環境に負け、自分自身の欲望に負け、心が乱れ、人の道に反することを平気でやってしまう。だからこそ、何かに迷った時に判断の基準となる正しい「考え方」を持つことが大切である。
■真面目に一生懸命働く
真面目に一生懸命に働くという行為こそが、人間を立派にしていく。苦労する経験を避けていった人で、立派な人間性を作り上げた人などいないはずである。若い時から一生懸命に働き、苦労を重ね、自らを鍛え、磨いていった人こそが、人間性を高め、素晴らしい人生を生きることができる。今はどのような境遇であれ、人知れず、身を粉にして、懸命に働き続けることが大切である。そのように苦労を重ねることが、立派な人間性をつくり、豊かな人生をつくることになる。
■高い目標を定めて取り組む
高い目標である峻険な山をゆっくり迂回しながら登っていくということは、世間や常識に妥協して、自分自身にも妥協をして生きていくということである。そのような姿勢では、結局は当初描いていた目標にはるかに達しないままに一生を終えてしまう。目標を達成したいならば「何としても、まっすぐに頂上を目指して、登っていく」という強い意志を抱き、垂直登攀で挑まなければならない。峻険な岩山であろうと、まっすぐに登っていくという思いを持ち続ける。それこそが、人生において事を成すための要諦である。
■課題解決に向けて創意工夫をする
いかに厳しい状況であっても、あらゆる条件を考え尽くし、困難な状況を克服するための、具体的な方法を考えていくこと。チャレンジを成功に導くということは、そのような創意工夫、つまり課題解決に向けて具体的な方法を考えることと不即不離である。チャレンジとは、ただ単に強く勇ましく、粘り強いというだけではない。また、可能性を信じるだけでもない。どうすれば困難な局面を打開できるのかという具体的な方策を徹底的に考え尽くすということがなければならない。
著者 稲盛 和夫
1932年生まれ。京セラ・第二電電(現・KDDI)創業者 日本航空(JAL)会長 1959年に社員8人で京都セラミツク(現京セラ)を設立。1984年には第二電電(DDI)を設立。 現在は、若手経営者向けの経営塾「盛和塾」を主宰し、若手経営者を育成する。独特な経営管理手法は「アメーバ経営」と呼ばれる。
TOPPOINT |
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日経ビジネスアソシエ 2017年6月号 |
PRESIDENT WOMAN(プレジデント ウーマン)2018年1月号(いま読み直したい感動の名著218) |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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序章 素晴らしい人生をもたらす羅針盤 | p.11 | 9分 | |
一 大きな志を持つこと | p.31 | 11分 | |
二 常に前向きであること | p.53 | 11分 | |
三 努力を惜しまないこと | p.77 | 11分 | |
四 誠実であること | p.101 | 12分 | |
五 創意を凝こらすこと | p.127 | 11分 | |
六 挫折にへこたれないこと | p.151 | 11分 | |
七 心が純粋であること | p.175 | 13分 | |
八 謙虚であること | p.203 | 11分 | |
九 世のため、人のために行動すること | p.227 | 11分 | |
終章 善き思いに満ちていること | p.249 | 3分 |
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