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2017/06/12更新

謙虚なコンサルティング――クライアントにとって「本当の支援」とは何か

279分

5P

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これからのコンサルタントに必要な姿勢とは

複雑さが増した今日、コンサルタントはどのようにクライアントの課題に臨むべきか。クライアントにとって本当の支援とは何かを考えるための一冊。


■コンサルタントなのにどうしたらいいかわからない時代
私たちが解決しようとしているのは、かつてない複雑な問題と、かつてない種類のクライアント組織、そしてクライアントが感じているかつてない切迫感である。そのため新しいコンサルティング・モデル、すなわち「謙虚なコンサルティング」が必要になる。

私たちが支援を求められた時に、どうすれば良いかを理解するのが、一筋縄ではいかなくなっている。時には、クライアントに、複雑さを理解してもらい、手間暇のかかる診断と介入よりちょっとしたアダプティブ・ムーヴ(診断のためのインタビューや調査など)を講じた方が得策だと気づいてもらうことが、最良にして最も素早い支援になる場合もある。

超短要約

私たちが解決しようとしているのは、かつてない複雑な問題と、かつてない種類のクライアント組織、そしてクライアントが感じているかつてない切迫感である。そのため新しいコンサルティング・モデル、すなわち「謙虚なコンサルティング」が必要になる。

謙虚なコンサルティングでは、これまでとは全く異なる関係をクライアントと結ぶことになる。コンサルタントとして、「なんとか役に立ちたい」と思って全力を尽くすこと、誠実な「好奇心」をあふれんばかりに持つこと、適切な「思いやりのある」姿勢を持つこと、クライアントの本当の思いを積極的に突き止めようとすることが前提になる。すると、潜在クライアントと初めて接する時に、信頼しあって率直に話のできる関係を築こうという意識を持って臨むことになる。そうした個人的な関係ができれば、クライアントの本当の考えを突き止めるだけでなく、これまで通り専門家や「医者」の役割を果たすことで支援できるかを判断できるようにもなる。

関係構築のプロセスでは、「ほどほどの距離感」という堅苦しさをなくすことが肝要だ。コンサルタントかクライアントのどちらかが、個人的な質問をする、もしくは個人的なことを打ち明けることによって、プロセスを打ち解けたものにする必要がある。

著者 エドガー・H・シャイン

1928年生まれ。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院名誉教授 1956年よりMIT スローン経営大学院で教鞭をとり1964年に組織心理学の教授に就任。1972年から1982年まで組織研究グループの学科長を務めた。2006年に退官し名誉教授となる。XY理論で有名なダグラス・マグレガーと一緒に研究活動を行ない、全米教育訓練研究所で長年働いた。 組織文化、組織開発、プロセス・コンサルテーション、キャリア・ダイナミクスに関するコンサルティングを行い、アップル、P&G、ヒューレット・パッカード、シンガポール経済開発庁など多数の企業・公的機関をクライアントとしてきた。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.3 12分
1 コンサルタントなのに、どうしたらいいのかわからない! p.21 15分
2 謙虚なコンサルティングはどのように新しいのか p.43 14分
3 互いを信頼し、率直に話のできる、レベル2の関係の必要性 p.63 47分
4 謙虚なコンサルティングは最初の会話から始まる p.131 38分
5 パーソナライゼーション――レベル2の関係を深める p.185 39分
6 謙虚なコンサルティングはプロセスに集中する p.241 24分
7 新しいタイプのアダプティブ・ムーヴ p.275 22分
結びの言葉 p.306 3分

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