潜在化されている顧客の情報を引き出す
「買わない理由」を明確西て、それを1つずつ解決していくと、顧客にとっても「買わない理由」がなくなる。営業の本質の1つは、顧客と「最後の90cm」で接する人間であるからこそ得られる、95%の潜在意識をいかにキャッチしてくるかである。
潜在意識にこそ、ヒントがたくさんある。それを引き出すのが営業である。多くの営業マンは、5%の顕在意識だけを拾っている。さらに言えば、結果だけ、◯か×かの話だけをしている。営業が目をつけるべきは、95%の潜在意識である。
顧客の「現実と理想のギャップ」を見つける
「買わない理由」が明確になったら、次に「どうすればそれが欲しくなるのか」を真剣に考えてもらう。営業マンが考えるのではなく、顧客に考えてもらうのである。普通は「別にうちは今困っていないから」と断られる。「では、他社との付き合いがあるのだとしたら、本当に100%満足していますか?」と問いかけるのである。「もしかしたら99%じゃありませんか?」「その残り1%、あるいは5%の改善点、もっとこうなったらいいなということを聞かせてもらえませんか?」と聞いてみる。その顧客がどこの会社と付き合っていようと、100%の満足は絶対ありえない。全体に不満はあるはずだという前提で、それを真剣に聞くのである。
人生において、課題や問題がない状態はありえない。現状が満足だと感じていたとしても、その先には必ずもっといい理想がある。その間には必ずギャップがあるはずである。そのギャップを言葉にすると、問題や、付加価値になる。もしギャップがないというのであれば、それは営業マンに期待していないということである。ギャップとは期待でもある。期待がない人生、ビジネスの付き合いはありえない。
モチベーションを維持する
営業マンにとって、何よりも大事なことは、モチベーションを保つことである。スキルやテクニックは学べるが、モチベーションが下がってしまうとどうしようもない。営業はモチベーションが下がりやすい職種である。相手に断られると、自分自身を否定されたように感じる人が多いように、心の状態に左右されやすいのである。
モチベーションを高く維持するには、「できない理由」を書いてみるという方法がある。目の前の課題を解決できない理由を書き出してみる。それに対して1つずつ「本当?」と自分で問うのである。「じゃあどうすればそれを解消できる?」と1つ1つ潰していく。すると、案外「できない理由」が残らなかったりする。