冴えた脳を維持するためには、生活習慣の改善が最も効果的である。脳神経外科医の著者が、冴えた脳、疲れない脳をつくるために大切なことを紹介している一冊。
■脳を冴えた状態にするには、正しい睡眠が必要
脳には、次の活動のための休息時間である睡眠が毎日必要である。人の身体は約60兆の細胞でできている。そして、その細胞の1つ1つに時計がついている。その時計の周期は約25時間。1日は24時間であるため、どこかで合わせる必要がある。人の脳は朝起きて太陽の光を浴びると、「朝だ」と時間を認識する。そして、身体の各組織を構成する細胞の時計を順次リセットする。
脳を冴えた状態にするためには、この「身体の標準時間を整える」ことがとても大切である。喉が乾いて水が欲しくなった時に水を飲むように、眠くなった時に眠る。これが正しい睡眠の取り方である。脳は正しく睡眠を取り疲労を回復すると、また効率よく働けるようになる。「正しい」の基準は、朝が来た時間、「太陽」を参考にすると良い。
もともと脳は、自分で育てながら鍛え続けていくものである。休みの日はないし、疲労のメーターを持っている人は誰もいない。だから、自分流の脳疲労管理法を見つけなくてはならない。
1つ言えるのは、脳は長く使い続けると、必ずどこかでエラーを起こすということ。エラーを起こさないようにするためには、休息を与えながら適切に使っていく。
脳はトレーニングすることが一番大切なのではない。そして、脳は、生活習慣の改善、日々のちょっとした習慣の追加によって、働きが最大化することもあれば、劣化することもある。
著者 築山 節
1950年生まれ。財団法人河野臨床医学研究所附属北品川病院長 埼玉県立小児医療センター脳神経外科医長、河野臨床医学研究所理事長を経て現職。脳神経外科専門医として多くの診断治療に携わる。1992年、脳疾患後の脳機能回復を図る「高次脳機能外来」を設立。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
週刊東洋経済 2017年6/17号 [雑誌](勝ち抜く企業 今、確かな力が光る銘柄) |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 3分 | |
第1章 冴えた脳をつくるために欠かせない「オフ」の時間 | p.15 | 35分 | |
第2章 なぜ長時間労働では、成果が出ないのか? | p.83 | 21分 | |
第3章 今日から実践できる! 脳の健康習慣 | p.125 | 28分 | |
第4章 あなたの脳の進化を止めてはいけない | p.179 | 12分 | |
おわりに | p.202 | 3分 |