amazonの元データ・サイエンティストが、ソーシャルデータの利用について、正しいあり方を説く一冊。データを収集する企業もデータを提供する個人も、情報の取り扱いについて正しい理解が必要であると説く。
■増え続けるソーシャルデータ
10億人以上が日々、ソーシャルデータを生み出し、共有している。「ソーシャルデータ」とは、あなたに関する情報だ。あなたの動き、行動、関心。それに他者、場所、製品、さらには思想信条との関わりについての情報も含まれる。中には意識的に提供するデータもある。例えば、グーグルマップを開き、目的地を打ち込むのはそれにあたる。一方、インターネットやモバイル端末を便利に使う中で、たいして考えもせずに提供するデータもあるだろう。
ソーシャルデータの量は指数関数的に増加している。今日ソーシャルデータの量は、18ヶ月ごとに倍増している。10年後には、およそ100倍に増えているはずだ。これは2000年に丸1年かけて生み出されたのと同じ量のデータが、今ではたった1日で生み出されている、現在の増加率が続けば、2020年には同じ量が1時間以内に生み出されているだろう。
データには発見と最適化の機会が潜んでいる。大切なのは、そうしたデータを集め、使う組織の利益を、我々自身の利益と確実に一致させる方法を見つけることだ。
それにはまずどんなデータが共有されているのか、また近い将来共有される可能性があるかを理解すること、そしてデータ企業が我々に関するデータをどのように分析し、使用するかを理解することが必要だ。
ここで鍵となる要素は、我々がデータ企業に対してすべてを開示するのと同じように、企業側にも我々に対して透明性を持たせること。そしてデータの使い方について、我々自身が一定の決定権を握ることだ。
著者 アンドレアス ワイガンド
アマゾン 元チーフ・サイエンティスト ビッグデータの世界的な専門家。米アマゾンの元チーフ・サイエンティストとして、創業者ジェフ・ベゾスとともに顧客にとって使いやすいプラットフォーム構築に尽力。今日のアマゾンの基礎を作り上げた。 ドイツ・ボン大学で物理学を学んだのち、1991年にスタンフォード大学で物理学博士に。現在はソーシャルデータ・ラボの創設者兼ディレクターを務める。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
週刊エコノミスト 2017年09月05日号 [雑誌] |
週刊ダイヤモンド 2017年 9/2 号 [雑誌] (定年後の歩き方 お金・仕事・人脈) 八重洲ブックセンター八重洲本店 販売課リーダー 鈴木 寛之 |
週刊東洋経済 2017年9/16号 [雑誌](学校が壊れる 学校は完全なブラック職場だ) 東洋英和女学院大学客員教授 中岡 望 |
WEDGE |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに データ、データ、データ! すべてがデータになる時代 | p.6 | 5分 | |
序 章 常識を逆転させたアマゾン | p.11 | 17分 | |
第1章 データの積み重ねが財産になる | p.29 | 35分 | |
第2章 「いいね!」はあなたを映す鏡 | p.67 | 39分 | |
第3章 そのつながりが経済を動かす | p.109 | 52分 | |
第4章 1兆個のセンサーがあなたを記録する | p.165 | 48分 | |
第5章 もしフェイスブック・ユーザーが死んだら | p.217 | 39分 | |
第6章 ウーバーのドライバーは悩んでいる | p.259 | 31分 | |
第7章 データエコノミー | p.293 | 43分 | |
エピローグ データをわれわれの手に取り戻す | p.339 | 3分 |