『イノベーションのジレンマ』の著者、クレイトン・クリステンセンが、イノベーションを予測可能にするためには、どうすればいいのかを紹介している一冊。
■イノベーションには因果関係を知る必要がある
現実には、イノベーションが成功するかどうかは一か八かの色合いが強い。何が顧客にその行動を取らせたのかを真に理解していない限り、賭けに勝つ確率は低い。だが、イノベーションとは本来、もっと予測可能で、もっと確実に利益をあげられていいはずだ。必要なのは、ものの見方を変えること。大事なのはプログレス(進歩)であって、プロダクト(商品)ではない。
企業は果てしなくデータを蓄積しているものの、どういうアイデアが成功するかを高い精度で予測できるように体系化されていない。データは、相関関係を表してくれるが、顧客が「なぜ」ある選択をするのかということについて何も教えてくれない。
問うべき質問は「どんなジョブ(用事・仕事)を片付けたくて、あなたはそのプロダクトを雇用するのか?」である。
ジョブ理論の中核は、顧客がなぜ特定のプロダクト/サービスを生活の中に引き入れるのか、その理由を説明することである。顧客がプロダクト/サービスを引き入れるのは、彼らにとって重要なジョブが発生し、まだ満たされていない時二、それを解決するためだ。このなぜを理解するかどうかが、あるイノベーションは成功し、別のイノベーションはそうでないかの分岐点となる。
1952年生まれ。ハーバード・ビジネス・スクール教授 ボストンコンサルティンググループで活躍後、ホワイトハウスフェローとして運輸長官などの補佐を務める。 1984年に、セラミックス・プロセス・システムズ・コーポレーションというベンチャー企業を起業し、社長・会長を歴任。その後、現職。
著者 カレン・ディロン編集者 2011年まで『ハーバード・ビジネス・レビュー』の編集者として20年のキャリアをもつ。2011年、アショカ財団により世界で最も影響を与えた女性として選出される 。
著者 タディ ホールケンブリッジ・グループ プリンシパル ニールセン社のブレークスルー・イノベーション・プロジェクトのリーダーを務める。様々な企業に対し、イノベーションのプロセスを改善する支援をおこなっているほか、〈エンデバー〉など新興市場の経営トップに緊密な指導を提供している。
TOPPOINT |
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日経トップリーダー |
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日経トレンディ 2019年 1 月号 オイシックス・ラ・大地 執行役員 奥谷 孝司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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序 章 この本を「雇用」する理由 | p.9 | 9分 | |
第1章 ミルクシェイクのジレンマ | p.26 | 16分 | |
第2章 プロダクトではなく、プログレス | p.50 | 24分 | |
第3章 埋もれているジョブ | p.86 | 19分 | |
第4章 ジョブ・ハンティング | p.116 | 23分 | |
第5章 顧客が言わないことを聞き取る | p.151 | 27分 | |
第6章 レジュメを書く | p.192 | 26分 | |
第7章 ジョブ中心の統合 | p.232 | 24分 | |
第8章 ジョブから目を離さない | p.269 | 18分 | |
第9章 ジョブを中心とした組織 | p.297 | 23分 | |
第10章 ジョブ理論のこれから | p.332 | 13分 |
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