第1の原理 自分の感情をコントロールする
ほとんどの人は自分が論理的だと思っているが、私たちはたいがい感情に基づいて行動している。私たちは感情をもとに決定をくだし、感情的な決定を論理によって正当化しているにすぎない。正当化とは「合理的なウソ」をつくという意味だ。しかし、感情にもとづいて自分を正当化すると、なかなか思うように人を動かすことができなくなる。
・心の初期設定(とっさの反応)をリセットして、冷静さを保つ
・一瞬考えてから口を開く
・説得の限界を感じたら議論を打ち切る
第2の原理 お互いの信念の違いを理解する
どの人もしつけや環境、教育、マスメディア、交友関係の組み合わせにもとづく独自の世界観を持っている。しかも、その人は独自の信念体系にもとづく世界観を持っているだけでなく、他の全ての人が自分と同じような世界観を持っていると思い込んでいる。だが、本人はそれに全く気がついていない。必ずしも相手の信念体系を理解する必要はない。まず、相手の信念体系が自分の信念体系と大きく異なっているという事実を認識することから始めること。そうすることによって、不幸な思い違いを避け、相手と協調しながらやっていく方法を見つけることができる。
・信念と真実の違いを意識する
・まず相手を理解し、次に自分を理解してもらう
・憶測をまじえて答えない
・相手のものの見方を学ぶ
第3の原理 相手のプライドを尊重する
どんな人でもプライドを持っているから、それを傷つけてしまったら、相手を味方につけることは難しい。相手を味方につけることができるかどうかは、95%の確率で相手のプライドをどれだけ尊重するかにかかっている。
・相手に恥をかかせない
・相手に勝とうとしない
・まず「そうですね」と同意する
・相手を「重要な人」として扱う
・人前で相手をほめる
第4の原理 適切な雰囲気をつくる
あらゆる人間関係で、どちらが主導権を握って雰囲気をつくるかが問題になる。もし相手に主導権を握られたら、相手が適切な雰囲気をつくってくれることに賭けるしかない。しかし、もし自分が主導権を握るなら、積極的に適切な雰囲気をつくって建設的な話し合いを始めることができる。
・笑顔で相手の協力を引き出す
・自分が緊張していることを知らせる
・相手の利益を優先しているという姿勢を見せる
・相手の言い分をまず認める
第5の原理 共感を示して気配りを心がける
共感を示して気配りを心がければ、相手はあなたの提案を素直に受け入れて、それにもとづいて行動してくれる可能性が高くなる。
・嫌なことを言われたら視点を変える
・「同情」ではなく「共感」する
・相手の話に耳を傾ける
・人の話をさえぎらない