シリコンバレーでは当たり前になっている部下のマネジメント手法「1on1ミーティング」を紹介している一冊。優秀な社員の退職を防ぎ、社員が自発的に動くようにするために大切なことが書かれています。
■1on1ミーティングとは
1on1ミーティングとは、上司と部下による1対1の定期的な対話の時間である。一般的な面談との大きな違いは「これは部下のための時間」ということである。上司は時にカウンセラーのように部下の話を聞き、部下の状況や問題、関心事を把握する。そして時には、その場でアドバイスをして解決することを行う場である。
結果として、部下の気持ちがスッキリしたり、納得感を持ったり、次のチャレンジへ行動していこうとすることが最も重要なことである。1on1の頻度は、最低でも月1回。部下との関係構築ができていない内は月2回の頻度で関わると変化が表れてくる。
最近、「優秀な部下」の思いもよらない退職というのが増えている。それは、社会的背景が急激に変わってきているのに、「上司と部下のコミュニケーションの取り方が変わらないから」である。新入社員は、ゆとり世代などと呼ばれて資質が変わってきている。また、ハードな労働環境の会社はすぐに「ブラック企業」などと呼ばれ、「働き方」に対する環境や個人の感覚も激変している。さらに成果主義が終焉して、結果だけで人を評価できる社会ではなくなってきた。こういった社会的背景に合わせた上司と部下のコミュニケーションが取れていないことが、一番の問題である。
シリコンバレーでは、上司と部下のコミュニケーションで1on1ミーティングというカルチャーが当たり前になっている。上司と部下が週に1回、30分〜1時間程度「必ず」1対1の面談を行う。自由に話し合うことで、上司が部下の考えや今の状態を把握して関係構築を図っており、それがマネジャーの重要な役割になっている。シリコンバレーでは人材が宝であるからこそ、マネジャーは、人間関係を作る時間を設けている。このシリコンバレー式のマネジメント手法が、今まさに日本で必要である。
著者 世古詞一
1973年生まれ。サーバントコーチ 代表取締役 VOYAGE GROUP フェロー 組織人事コンサルタント。月1回30分の1on1ミーティングで組織変革を行う1on1マネジメントのプロフェッショナル。 VOYAGE GROUPの創業期より参画。営業本部長、人事本部長、子会社役員を務め2008年独立。コーチング、エニアグラム、NLP、MBTI、EQ、ポジティブ心理学、マインドフルネス、催眠療法など、10以上の心理メソッドのマスタリー。 個人の意識変革から、組織全体の改革までのサポートを行う。 クライアントは、一部上場企業から五輪・プロ野球選手など一流アスリートまでと幅広く、コーチ・コンサルタントとして様々な人の人生とキャリアの充実、目標実現をサポートしている。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
日経トップリーダー |
日経ビジネスアソシエ 2018年 01 月号 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.3 | 4分 | |
第1章 なぜ、今1on1ミーティングで 人も会社も変わるのか | p.23 | 26分 | |
第2章 1on1ミーティングで何を話すのか | p.73 | 19分 | |
第3章 1on1ミーティングで何を話すのか | p.111 | 23分 | |
第4章 1on1ミーティングを始めてみよう | p.155 | 28分 | |
おわりに | p.210 | 2分 |
How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント [Amazonへ] |
インテル経営の秘密―世界最強企業を創ったマネジメント哲学 [Amazonへ] |
7つの習慣 [Amazonへ] |