マイクロソフトの3代目CEOサティア・ナデラが2014年から行ってきたマイクロソフトの企業改革について、振り返る一冊。モバイルの波に遅れととり、大企業病に陥っていたマイクロソフトをいかに変革していったかについて書かれています。
■マイクロソフトの文化
マイクロソフトはパソコン革命を起こし、伝説的な成功を収めた。旧世代の企業でこれに匹敵するのはIBMぐらいだろう。しかし、競争相手を遠く引き離して数年も疾走を続けると、何かが変わってきた。良い方向の変化ではない。革新的な仕事がお役所的な仕事に、共同作業が内部抗争に変わり、競争から落後し始めた。
2014年にマイクロソフトの第3代CEOに指名された時には、この会社の文化を刷新することが自分の最優先事項だと社員に告げた。そして、誰もが入社時に抱いた、世界を変えるという目標に立ち返れるように、イノベーションの障壁となるものを容赦なく取り除くことを誓った。マイクロソフトは、個人の情熱が幅広い目的と結びついている時には、常に最高の状態にあった。Windows、Office、Xbox、Surface、Server、Microsoft Cloudはいずれも、個人や組織が夢を築くためのデジタル・プラットフォームになった。マイクロソフトの文化に望んでいたのは、そのような本能と価値観だった。
■文化は戦略に勝る
CEOに就任する前の数年間、経営陣はこの巨大企業の存在意義や戦略について、なかなか的確に説明できないでいた。だが社員には共通の理解が必要だ。
マイクロソフトの魂を再発見すること、ミッションを見直すこと、投資家や顧客がマイクロソフトの成長に手を貸してくれるようなアンビジョンをまとめること、これらは、次期CEOに指名された時から、最優先事項として考えてきたことだった。
著者 サティア・ナデラ
1967年生まれ。マイクロソフト CEO マイクロソフトの第3代CEO。情報科学の修士号取得のため、21歳の誕生日にインドのハイデラバードから渡米。アメリカ中世部やシリコンバレーでの経験を経て、1992年にマイクロソフトに入社。 以後、同社のコンシューマー、法人両部門で、さまざまな製品やイノベーションを主導。人々を鼓舞し、ミッションの達成を重視するリーダーとして広く知られており、テクノロジーの限界を押し広げつつ、世界の顧客やパートナーとの間で、創造的で時に驚くべき取引をまとめている。 マイクロソフト以外の活動として、フレッド・ハッチンソンがん研究センターの評議員、スターバックスの取締役も務めている。
帯 マイクロソフト創業者 ビル・ゲイツ |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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chapter1 ハイデラバードからレドモンドへ | p.8 | 28分 | |
chapter2 率いる方法を学ぶ | p.54 | 24分 | |
chapter3 新たなミッション、新たな機運 | p.93 | 27分 | |
chapter4 企業文化のルネサンス | p.138 | 20分 | |
chapter5 フレンドか、フレネミーか? | p.171 | 16分 | |
chapter6 クラウドの先 | p.197 | 24分 | |
chapter7 信頼の方程式 | p.236 | 21分 | |
chapter8 人間とマシンの未来 | p.270 | 13分 | |
chapter9 万人のための経済成長を取り戻す | p.292 | 19分 |