STEP1 時間を記録する
生産的な時間の使い方をしているかどうかを計るために記憶は頼りにならない。時間の記録をとって再評価すること。習慣化すれば、働く時間を体系的に管理する次のステップに進むことができる。
時間管理の第一ステップは、具体的な時間管理の方法ではなく、時間の使い方に対する自らの認識を把握することである。「いま現在、自分はどのように時間を使っているか」を考えて、仕事内容と想定時間を書き込む。時間を記録する際には、次の2点を守る。
・リアルタイムにその場で記録する
・1分ごとに記録する
私たちはすでに30分単位の時間管理は概ねできている。必要なのは忙しい人ほど1分単位で時間を記録することである。
STEP2 時間を整理する
本当に重要な問題に取り組める自由な時間を確保するためには、仕事を見直す必要がある。時間の記録を見て、無駄な作業を極力削らなければならない。
成果をあげるための秘訣を1つ挙げるとすれば「集中」であるとドラッカーはいう。ところが、あらゆる組織でトップは真に成果に貢献する自由な時間が1/4もないと指摘している。強みを重要な機会に集中するためには「体系的に廃棄する」ことが必要である。
「体系的に廃棄する」とは、続けるに値する仕事かを問い直す作業である。ドラッカーの時間管理術の本質は、30分かかる作業を10分で終わらせることではなく、作業自体をなくし、重要な仕事に集中することである。
「まだ着手していないとして、これからその仕事を始めるだろうか?」という問いによって明らかになる分野の仕事は廃棄すべきで、それが難しくても大幅に縮小すべきである。
STEP3 時間をまとめる
有能なエグゼクティブは1日1/4程度時間があれば、重要な事柄は大抵片付けられることを知っている。成果をあげるために、細切れではなく大きな塊の時間を確保する。
仕事においては、細切れの時間をたくさん充てるよりも、連続して行った方が効率よく処理できる。集中を要する仕事であればあるほど、途中で中断されると始めからやり直す労力と時間がかかる。成果をあげるためには、時間を大きなまとまりにして使う必要がある。
何かを成し遂げるためには自分の時間を使うだけでは十分ではない。他人にも時間を使ってもらい、協力してはじめて成果をあげることができる。そのためにもまとまった時間は必要である。
時間のブロックは他人の協力を得る時だけでなく、自分のまとまった時間を調達するためにも有効である。状況が許せば、意図的に時間の余白を作ること。時間の使い方にルールを設け、周知しておくと良い。