介護を理由に離職すると、経済的にも精神的にもむしろマイナスの効果しか生み出さない。介護離職の現実を説明しながら、いかに介護と仕事を両立する道を選ベば良いかについて紹介している一冊。
■依存先が複数あることが幸福度を左右する
自立とは、誰にも頼ることなく生きられる状態のことではない。これが人間を不幸にする決定的な誤解である。真の自立とは、その人が依存する先が複数に分散されており、ただ1つの依存先に隷属(奴隷化)している状態から自由であることである。
自立が進んでおらず、ただ1つの依存先しかないと、個人は、依存先に対する交渉力を失う。これは、依存先の言いなりということである。交渉力を失うと、相手に隷属することになる。結果として、自分の人生のあり方を自分で選択できなくなる。
自立していることは、個人の幸福追求にとって非常に大切である。好きな場所、好きな人と、好きなことをして暮らすことの基礎は、自立にこそあるからである。人間の幸福は、依存先が複数あることと密接に関係している。
自分も親も、選択肢がある状態が維持されないと不幸になる。自分で介護をするか、介護のプロに任せるかを選べる状態を維持すること。その状態が維持できない時は、介護のプロに介入してもらう。
著者 酒井 穣
1972年生まれ。リクシス 取締役副社長CSO 商社にて新事業開発に従事後、オランダの精密機械メーカーに光学系エンジニアとして転職し、オランダに約9年在住する。帰国後はフリービットの取締役を経て、独立。 介護メディアKAIGO LAB編集長・主筆、新潟薬科大学・客員教授、KAIGO LAB SCHOOL学長、NPOカタリバ理事なども兼任する。
帯 プログラマー 小飼 弾 |
帯2 コーン・フェリー シニアパートナー 山口 周 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 3分 | |
第1章 介護離職につながる3つの誤解 | p.13 | 26分 | |
第2章 介護離職を避けるための具体的な方法 | p.69 | 23分 | |
第3章 介護を自分の人生の一部として肯定するために | p.119 | 28分 | |
おわりに | p.179 | 5分 |