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2018/05/02更新

なぜこの人はわかってくれないのか―対立を超える会話の技術

248分

7P

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行き詰まりを抜け出す鍵

行き詰まった問題や会話に対するアプローチには「パワープレイ」や「フレーミング」といったものもあるが、より良い世界を作るためには、「オーセンティック(偽りがないこと)」な会話で他者とつながること。

大抵の場合、「オーセンティック」という言葉は、過去の信念や発言、振る舞い、文化的アイデンティティと一貫した行動をとる際に用いられる。この一般的な考え方は「静的」なもので、行き詰まりや対立を強固なものにしかねない。過去との一貫性よりも、心から望む未来に照らして一貫した態度を取り、学びと成長のプロセスに乗り出すこと。これを「動的なオーセンティシティ」と呼ぶ。

動的なオーセンティシティの鍵は、自身の非一貫性や矛盾を正直に認め、さらけ出すことだ。行き詰まりから抜け出すためには、自分のあり方が動的にオーセンティックなものかどうかを見定めるといい。

会話の落とし穴を知る

最初のステップは行き詰まっていることを素直に認め、主体的にそこから抜け出そうとすることだ。「行き詰まり」っている原因である落とし穴を特定すれば、目的の場所へ効率よく進むことができる。

第二のステップは、行き詰まっているのは自分だけではないと認識し、行き詰まりのパターンを知ることだ。典型的な落とし穴の種類は以下の通り。

①誰かがするべきだ
②君よりは高潔だ
③先のことは分かっている
④一匹狼
⑤これがやるべき正しいことだ
⑥無私または身勝手
⑦今すぐにだ!
⑧人間あるいは自然
⑨問題中心主義

一度、行き詰まりへとつながる会話を特定すれば、日々の生活の中で注意を払うことができるようになり、再び落とし穴に陥るのを避けることができる。

自分の本当の動機を見つめ直す

会話を行き詰まりから抜け出させるために、まずは自分自身についてや自分にとって何が一番大切かを見つめ直さなければならない。その作業を進めていけば、全く新しい会話の下地を作り出すことができる。

自分の内発的動機を知る1つの方法は、自分が築きたい未来を思い描き、そこにいる自分を想像することだ。それは自分にとって何が大切かを知り、新しいあり方を体験する助けになる。新しいあり方を築き上げて体現すると、直面している問題や行き詰まっていた会話に対する観点を変えることができる。

謝罪することで会話を取り戻す

まずは自身のあり方や落とし穴を認識して、会話を行き詰まらせた原因について謝り、会話に命を取り戻すこと。謝罪をすることで、信頼が得られ、関係が強化され、むしろ力が生まれる。