なぜ、やり遂げることができないのか
大きな成功を収めている企業でも、必ず実現すると決意しても、できない場合がある。その理由は5つある。
①ゴールに優先順位を付けていない
②熱意を持って漏れなくゴールを伝えていない
③やり遂げるためのプランがない
④重要事項のための時間を空けていない
⑤繰り返さずにやめてしまう
成功するためには、何もかもやろうとするのではなく、どのゴールが最も重要かを見極め、選ばなければならない。自分の考えとメッセージを明確にし、全員が同じように理解できるまで何度も繰り返し伝えなければならない。待ち続けるのではなく、ゴールを達成するために計画がなければならない。そして、失敗し、学び、何度も挑戦する。
OKRの基本
OKRはObjectives and Key Results(目標と主な結果)の略だ。OKRにはある程度標準化された形がある。Oは定性的なものを1つだけ、KRは定量的なものを3つくらい決める。これらを使って、グループや個人を大胆なゴールに集中させる。Oは一定期間(大抵は四半期)のゴールを決める。KRは、期間の終わりにOを達成できたかどうかを判定するのに使う。
Oは次の条件を満たす1つの文とする。
①定性的で人を鼓舞する内容にする
②時間的な縛りをつくる
③各チームが独立して実行できるようにする
良いOは以下のようなものだ。
・サウスベイ地区で、法人向けコーヒー小売り直売市場を勝ち取る
・素晴らしいMVP(実用に耐える最小限の製品)を立ち上げる
KRでは、感覚的な言葉を定量化する(数字で表す)。KRをつくるには「どうやってOを満たしたとわかるのだろうか」というシンプルな問いを立てる。そうすると、Oで書いた「素晴らしい」「大成功」「勝利」といった表現の具体的な意味を定義することになる。一般的には、3つのKRを定義する。KRの基準は、測れるものなら何でも構わない。例えば、次のようなものだ。
・成長率、エンゲージメント、売上、性能、品質
KRを賢く選べば、成長とパフォーマンス、売上と品質のように、相反する可能性のある指標を用いて、力のバランスをとることができる。
OKRは常にストレッチ・ゴールにしなければならない。そのためには、OKRに5/10の自信度(目標を達成できる自信が半分しかない)を設定するとよい。KRの設定とはつまり、自分自身と自分のチームが、大きいが不可能ではない仕事を成し遂げる後押しをできるような最適点を探すことだ。
OKRを四半期の途中で変えてはいけない。設定を誤ったことに気がついたら、くよくよせずに進み、失敗するなり楽々成功するなりの結果が出てから、その経験を活かして次回はもっとうまく設定する。