マーケティングや財務と同じように「アントレナーシップ」は、企業が成長するために必要な機能である。効率的なスタートアップの仕組みをいかに企業のマネジメントに取り込むかについて、具体的な方法を紹介している一冊。
■スタートアップ・ウェイとは
現代の組織は、由緒あるところも新しいところも、新しい製品やビジネスモデルを素早く試す能力、社員に創造性を発揮してもらう能力、何度も何度も革新を繰り返す能力が欠けていて、成長と生産性の新たな源を見つけられずにいる。
アントレプレナーシップには、21世紀のマネジメントに新たな活力を与えられる可能性がある。スタートアップ・ウェイとは、厳格な総括マネジメントと極めて漸進的なスタートアップの性質とを組み合わせるものだ。常にイノベーションを目指す組織であれば、その規模、歴史、ミッションに関わらず、利用することができる。
スタートアップ・ウェイでは、アントレプレナーシップを1つのマネジメント原則だと捉える。組織構築や評価、資源配分などの枠組みだと考える。今のマネジメントは計画と予測によるが、スタートアップ・ウェイは、速さと不確実性を前提とする。速ければ速いほど、不確実であればあるほどうまくいく。
■スタートアップ・ウェイを支える5原則
①継続的イノベーション
長期の成長に必要なのは、組織の上から下まで様々な人材と創造性を活用し、新たなブレークスルーを見つける方法だ。
②スタートアップを仕事の原子単位とする
継続的イノベーションを繰り返し、新たな成長の源を手に入れるためには、実験のできるチームが必要だ。このチームは社内スタートアップであり、他とは異なる組織構造で支えなければならない。
③欠けている機能
組織のエコシステムに追加したスタートアップは、従来の手法と相容れない新しいやり方で管理する必要がある。ほとんどの組織は、マーケティングや財務などと同じく成功に欠かせない機能「アントレプレナーシップ」が欠けている。
④再創業
創業5年の新しい会社であっても100年の古い会社であっても、組織の構造をここまで大きく変えるのは、会社を新たに創業しなすに等しい。
⑤継続的変容
このようなことを実現するには、新たな課題に直面するたび組織のDNAを書き換える能力が必要である。
著者 エリック・リース
1979年生まれ。起業家 アントレプレナーとして「スタートアップの教訓(Startup Lessons Learned)」というブログを執筆。New Context社ゼネラルパートナー。 彼にとって3社目の起業であるIMVUには、共同創業者として、また、CTO(最高技術責任者)として参画した。 リーン・スタートアップ手法はビジネスの分野で大きなムーブメントとなり、世界中の企業や個人が実践している。さまざまなスタートアップや大企業、ベンチャーキャピタルに事業戦略や製品戦略のアドバイスを提供している。
帯 ハーバード・ビジネススクール教授 クレイトン・クリステンセン |
帯2 ハーバード大学チャールズ・W・エリオット記念講座教授 ローレンス・サマーズ |
帯3 ボックス 共同創業者兼CEO アーロン・レビィ |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.1 | 13分 | |
第1部 先進企業 | p.25 | 3分 | |
第1章 過去を尊重し、未来に投資する――先進企業の構築 | p.29 | 19分 | |
第2章 アントレプレナーシップ――いまの組織に欠けている機能 | p.54 | 18分 | |
第3章 スタートアップの精神状態 | p.78 | 20分 | |
第4章 リーン・スタートアップの教訓 | p.105 | 30分 | |
第5章 大規模イノベーションのマネジメント方法 | p.145 | 17分 | |
第2部 変革のロードマップ | p.167 | 7分 | |
第6章 フェーズ1─クリティカルマス | p.176 | 39分 | |
第7章 フェーズ2─スケールアップ | p.227 | 33分 | |
第8章 フェーズ3─深層の仕組み | p.271 | 37分 | |
第9章 革新会計 | p.320 | 33分 | |
第3部 大局的見地 | p.363 | 5分 | |
第10章 アントレプレナーシップの統一理論 | p.369 | 11分 | |
第11章 アントレプレナーシップを支援する社会政策をめざして | p.383 | 25分 | |
おわりに 新たなる市民宗教 | p.416 | 5分 |
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