様々なベストセラーを世に送り出してきた幻冬舎代表の見城徹氏による読書論。これまでの著者の読書体験や作家との交流について語りながら、読書の意味や本質とは何かについて問いかけます。
■人は読書によって言葉を獲得する
人間と動物を分けるものは、「言葉を持っている」という点に尽きる。人間は言葉で思考する。言葉を使って自らの生や死について考え、相手に想いを伝える。人を説得し、交渉し、関係を切り結ぶ。そして人生を前に進めていく。
では、人間としての言葉を獲得するにはどうすればいいのか。それは「読書」をすることにほかならない。本には、人間社会を理解する上でのすべてが含まれている。人間は途方もなく多様な存在で、自分では想像もできないような考えを持つ他者がいる。読書で学べることに比べたら、一人の人間が一生で経験することなど知れている。読書をすることは、実生活では経験できない「別の世界」の経験をし、他者への想像力を磨くことを意味する。人間の美しいさや醜さ、葛藤や悩みが見えてくる。そこには、自分の人生だけでは決して味わえない、豊穣な世界が広がっている。その中で人は言葉を獲得していく。
読書の意味とは、自分一人の人生では経験できないことを味わい自分の問題として捉え直し、他者への想像力を磨く点にある。
著者 見城 徹
1950年生まれ。幻冬舎 代表取締役社長 角川書店の時代から名編集者として名を馳せる。取締役編集部長を務めた後、幻冬舎を設立。豊富な人脈を基に著名作家などとベストセラーを送り続け、2003年幻冬舎を上場させた実績を持つ。なお、幻冬舎は2010年にMBOにより上場廃止している。
週刊ダイヤモンド 2018年 6/30 号 [雑誌] (必修 使える! 数学) リブロ営業推進部マネージャー 昼間 匠 |
帯 サイバーエージェント代表取締役 藤田 晋 |
帯2 作詞家 秋元 康 |
日経ビジネスアソシエ 2018年 8 月号 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに 読書とは「何が書かれているか」ではなく「自分がどう感じるか」だ | p.3 | 9分 | |
第1章 血肉化した言葉を獲得せよ | p.26 | 14分 | |
第2章 現実を戦う「武器」を手に入れろ | p.52 | 25分 | |
第3章 極端になれ! ミドルは何も生み出さない | p.96 | 18分 | |
第4章 編集者という病い | p.128 | 21分 | |
第5章 旅に出て外部に晒され、恋に堕ちて他者を知る | p.166 | 16分 | |
第6章 血で血を洗う読書という荒野を突き進め | p.194 | 16分 | |
おわりに 絶望から苛酷へ。認識者から実践者へ | p.222 | 9分 |
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