企業がグローバル化に対応するにあたって、人事は何をしなければならないのかをまとめた一冊。人材の多様化、人材の需給のグローバル化、人材の流動化が進む変化に対して、必要な考え方と対応策を紹介しています。
■事業のグローバル化と共に人事を変える
人事のグローバル化に求められるのは、日本企業で行われてきた人事施策を「人材の多様化」「人材需給のグローバル化」「人材の流動化」という3つの変化に対応したものにいわばバージョンアップしていく作業であり、何か全く新しいことをゼロからスタートさせるといったことではない。
確かに日本企業は、海外企業と比べて人事のグローバル化に大きな後れがある。しかし、日本企業が持つ強みを生かし、先行して取り組んだ海外企業から学ぶことで、日本企業のグローバル人事は、独自の優れた人事戦略となり得る。
基本的にグローバル人事とは、事業のグローバル化に伴う「人材の変化」に人事のやり方を対応させる目的で行うものである。グローバル化に伴う人材の変化と課題には次の3つがある。
①人材の多様化
②人材需給のグローバル化
③人材の流動化
まずは自社がどのようなやり方で事業のグローバル展開を進めていこうとしているのかを把握し、その方向性や事業戦略に合った人事のやり方を選択し、進めていくことが大切である。
グローバル人事とは、人事のための取り組みではない。グローバル人事とはあくまでも経営のための改革の1つ。経営のグローバル化に合わせてやっていくべきものであり、グローバル化する事業がない、もしくは事業が変化を必要としないのであれば、無理に行うものではない。
大事なことは、「人事がいかに経営と二人三脚で事業に関わっていくのか」ということである。
著者 南 和気
SAPジャパン 人事・人財ソリューションアドバイザリー本部 本部長 人事・人材戦略コンサルティングのスペシャリスト。 大学卒業後、アメリカ企業を経て2004年SAPジャパンに入社。人事ソリューション事業責任者、アプリケーション営業責任者などを歴任し現職。 2015年、日本企業によるグローバル人事の事例とその手法を記した『世界最強人事 グローバル競争で勝つ 日本発・人材マネジメント』 を出版。2017年度、立命館大学経営大学院にて「人的資源管理」講師を担当。 日本企業のグローバル経営において、「人事のグローバル化」「グローバルで活躍する人づくり」「イノベーションを現実にする組織づくり」といった課題を、「日本企業の強みを生かしたグローバル人事」によって解決する手法を15年にわたって提唱し、200社を超える人事コンサルティングの実績を持つ。
帯 早稲田大学ビジネススクール准教授 入山 章栄 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 6分 | |
第1章 グローバル人事とはなにか? | p.21 | 37分 | |
第2章 「人の価値」を正しく測る | p.85 | 22分 | |
第3章 「人材配置」を成功に導く戦略 | p.123 | 37分 | |
第4章 グローバル・リーダーをどのように育てるか | p.187 | 29分 | |
第5章 自ら成長し変化する最強の組織づくり | p.237 | 22分 | |
第6章 テクノロジーがもたらす未来の人事 | p.275 | 23分 | |
おわりに | p.306 | 5分 | |
【特別寄稿】早稲田大学ビジネススクール準教授 入山章栄 | p.314 | 3分 |