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2018/08/13更新

最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)

  • 鈴木祐
  • 発刊:2018年7月
  • 総ページ数:288P

207分

2P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

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人間本来の形に合わせた健康メソッド

人類が進化のプロセスで獲得した機能は、現代の生活には合っていない。そのために、肥満やうつ病といった様々な文明病が生まれている。
人間そのものに備わる機能に即して、健康な状態を保つにはどうすればいいのかを紹介している一冊。


■人類の進化と現代のミスマッチ
最新の研究によれば、現在の人類の基礎が形作られたのは約680〜700万年前。現代人と猿人の中間的な存在であるヒト亜科が生まれた時代で、ここから人類は独自の進化コースに入っていった。そこから人類は少しずつ進化を続け、1〜2万年前に石器時代から農耕生活に移動する。つまり、少なくとも人類は600万年にわたって狩猟採集生活を続けてきた。このタイムスパンで見れば、人類は進化の過程で古代の環境に最適化してきたと考えられる。自然の中で獲物を追い、太陽の進行と共に暮らし、少数の仲間と語りあう。ヒトの脳と体は、そんな環境の中でパフォーマンスを発揮するように進化してきた。

「進化医学」とは、進化論をベースにしながら人間の病気の正体を考えていく学問である。人類に備わった生存システムが現代の豊かな環境ではうまく働かず、古代ではあり得ない「文明病」について考えるのが進化医学の根幹である。肥満やうつ病、脳のパフォーマンス低下についても、進化のミスマッチが原因だと考えられている。

超短要約

「ぼんやりとした不安」は、現代人の脳のパフォーマンスとQOL(人生の質)に多大な影響をおよぼしている。

不安の機能は「アラーム」である。まだ正体が明らかではない生存の危機を察知し、事前に対策を取れるようにアラームを鳴らす。これは人類にとって重要な機能の1つである。不安の影響力が強いおかげで人類は猛獣の脅威から逃れ、感染や寄生虫のリスクを抑え、子孫を繁栄させてきた。

ところが、不安の質が変わった現代では、かつてはうまく働いた機能が動作しない。「ぼんやりとした不安」のせいでアラームが誤作動を起こし、やがて頭の中で非常ベルが鳴りっぱなしの状態になっていく。

現代の不安の原因は「未来の遠さ」にある。現代人の時間感覚では、未来の感覚が遠くなったため、先の見えない不安が生じる。人類に備わった「不安」は、あくまで目の前に迫った危険への対策を促すためのシステムである。今の瞬間よりも時間軸が未来にある危険に対しては、そもそもプログラムが対応していない。その結果として、遠いアラームの誤作動が引き起こされる。

不安に満ちた現代人の時間感覚は、農耕生活を始めた1万1000年〜23000年頃に遡る。農耕を効率よく進めるには、長期的なタイムフレームが欠かせない。一年も先のことを考えて行動する習慣は、それまでの人類にとっては全く未知のものだった。ここにおいて、人類は初めて「遠い未来」を思い描かねばならなくなった。

一方で狩猟採集民の未来は1日単位なので、先行きの不安は生まれない。彼らにとっては全てが現在であり、時間を超越した感覚を持っているからである。

すでに未来という概念を構築してしまった現代人が、取れる戦略は「未来を今に近づける」しかない。未来の自分と現在の自分の心理的な距離を近づけるのである。

未来との心理的距離が近い者ほど不安に強く、セルフコントロール能力が高いことがわかっている。未来の自分の身になって考えられると、現在の決定が未来におよぼす影響を実感できるようになる。こうした自己連続性が高い人には「ぼんやりとした不安」は生まれない。

未来を近づけるためには、まず自分の価値観を見定めることである。価値に沿って生きるほど、日々の悩みが消え、自然と自分をいたわる行動が増えていく。価値観が未来を1つにまとめ、現在と未来にはっきりした道筋ができる。

著者 鈴木祐

1976年生まれ。サイエンスライター 大学卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。 自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成。近年はヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。

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帯
メンタリスト DaiGo

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.4 1分
第1章 文明病 p.19 10分
第2章 炎症と不安 p.37 23分
第3章 腸 p.77 16分
第4章 環境 p.105 23分
第5章 ストレス p.145 18分
第6章 価値 p.177 17分
第7章 死 p.207 21分
第8章 遊び p.243 22分
エピローグ p.282 3分

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