Uberの最初期に投資するなど、シリコンバレーでトップクラスのエンジェル投資家が、その投資方法について紹介している一冊。


■エンジェル投資とは
エンジェル投資というのは立ち上げ最初期の非公開企業に投資し、投資した以上のリターンを得る。一般的かつ安全な投資に比べてはるかにリスクが高く、それだけ期待するリターンも大きい。ほとんどの場合、エンジェル投資の期間は3年以内だ。投資相手の会社は実績が少ないかゼロ。そしてプロダクト・マーケット・フィットのために切実に資金を必要としている。これは、スタートアップの創業者が考え出したコンセプトに対して、それを実際に使ってエンジョイするユーザーを見つけるプロセスを指す。大勢の人々があるプロダクトを使い、それを楽しんでいるなら、成功が保証された訳ではないとしても、そのビジネスには成功のチャンスが十分ある。創業者にとって次のハードルはスケールすることと収益化することだ。創業者がプロダクトで金を生む方法を実際に見つけ出し、十分に大きなスケールに育てられた場合、他の企業に買収されるか、自ら上場する。こうして投資した株式はキャッシュに戻り、リターンが確定する。

ほとんどのスタートアップは、最初の「プロダクトをマーケットにフィットさせる」という段階でつまずくが、うまくいけば投資は100倍から1万倍になる可能性が十分にある。

人生は1つの巨大なテストであり、投資家と関わることは数あるテストの中の1つだ。人が時間をかけて計画を実行するところを見るのが、投資すべきかどうかを判断する最善の方法だ。

投資を決めるのは、プロダクトが成功するかどうか見極める必要はない。この創業者が成功しそうかどうかさえわかればよい。人間を見てどの程度の成功を収めそうか見極めることだ。

著者 ジェイソン・カラカニス

エンジェル投資家 情報テクノロジー分野の起業家、エンジェル投資家であり、人気の週刊ビデオ番組、『ディス・ウィーク・イン・スタートアップス』のホスト。 また起業家と投資家を橋渡しするテクノロジー系カンファレンスを数多く創立してきた。 シリコンバレーの著名なベンチャーキャピタル、セコイア・キャピタルの「スカウト」メンバー。メディアにも頻繁に登場している。