電通OBが、電通事件で批判の的になったビジネス訓「電通鬼十則」の意味を回顧し、本当の意味での「働き方改革」とは何かを説く一冊。
■電通の仕事
広告会社はクライアントのニーズに呼応して広告の範疇の作業をする。例えば、ある商品を発売するとなると、その商品情報をメディア、特にマスメデイア4媒体(新聞、テレビ、雑誌、ラジオ)を使って、全国、時には特定の地域に流す。マスメディアでは行き届かないところにはチラシや屋外広告などでフォローする。さらに、消費者に直接、商品を見せ購買刺激を与えるセールスプロモーションや店頭イベントのようなことも広告会社の仕事である。そして、消費者の印象や動向を得るための調査なども行う。
電通は広告会社の範疇にあるが、それを越えたビジネスが多岐にわたっている。広告の仕事は主要な仕事だが、クライアントが望めばどんな活動にも入っていく。そして、そのクライアントの発展のために尽くす。
社員は勤務する会社が広告の会社とは誰も思っていない。ビジネスの種はどこにもある、というのが電通の社訓と考えて良い。電通のビジネスには分野がなく、何でもビジネスにする努力をする。
働く人にとって大切なことは働く人の満足感と達成感である。そして、次のステップ向上のためのモラール感である。
著者 信田 和宏
1944年生まれ。マーケティングアドバイザー 1967年電通入社、その後、営業部長、ドイツ・タイ・シンガポールに駐在(現地会社社長)を経て2003年に退職。その後、大学で教鞭をとる(東京経済大学大学院客員教授、事業創造大学院大学教授)。2014年より現在に至る。
帯 作家 堺屋 太一 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.2 | 9分 | |
第1章 電通とは何か、鬼十則とは何か | p.23 | 13分 | |
第2章 日本企業の特徴と働きかたの現実 | p.47 | 22分 | |
第3章 ドイツに学ぶ生き方と働き方 | p.89 | 8分 | |
第4章 働き方改革の落とし穴 | p.105 | 8分 | |
第5章 これでいいのか! マスメディアの実態 | p.121 | 11分 | |
第6章 デジタル時代の若者の生態と第4次産業時代の到来 | p.141 | 11分 | |
おわりに | p.162 | 3分 |
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