論理的判断は午前に、ひらめきは午後に
注意力とエネルギーレベルは、午前中に上昇し正午頃に最高潮に達し、午後に急降下する傾向にある。その下降に比例して、集中力や自己抑制力も下がる。
注意深さは、脳が分析力を要する問題を解く際には役立つ。但し、洞察問題となると事情は異なる。これには、注意深さと抑制はさほど必要とされない。「頭の中でぱっと閃く」のは、注意力という見張り番がいない時の方が起きやすい。
私たちの気分とパフォーマンスは、日中揺れ動く。ほとんどの人の場合、気分は共通するパターンに従う。ピーク、谷、回復のパターンである。これによって、パフォーマンスは2つのパターンが形成される。
①午前中、ピークを迎えている間、ほとんどの人は問題の解決を得意とする
②遅い時間帯、回復期は、洞察的仕事が向く
但し、この大きなパターンには、例外がある。4人の内1人は、他の3人と異なる体内時計を持った異なるタイプの人間かもしれない。
朝型か夜型か
人間の生理機能と心理に影響を与える概日リズムの個人的パターンは、各自異なる。
①ヒバリ型(14%)
朝になると難なく起床し、昼間は活力に溢れ、夜を迎える頃にエネルギーが切れる。
②フクロウ型(21%)
朝が苦手で、午後の遅い時間か夕方になるまで最高潮に達することがない。
③第3の鳥型(65%)
ヒバリ型とフクロウ型の間。60〜80%の人が分類される。
このクロノタイプは、私たちが誕生した時期が大いに影響する。秋か冬に生まれた人は、生来のヒバリ型である可能性が高く、春か夏に生まれた人は、生来のフクロウ型である可能性が高い。
年齢もクロノタイプに大いに影響を及ぼす。幼い子供はおしなべてヒバリ型。思春期を迎えると、ヒバリ型はフクロウ型へと変わる。フクロウ型のリズムは20歳頃にピークに達し、その後の人生で徐々にヒバリ型に回帰する。
男女の間でも、クロノタイプの相違はある。男性は夜型に、女性は朝型になる傾向がある。この男女差は50歳頃からなくなっていく。60歳以上の人は、概して朝型になる。
それでも、およそ20〜25%の人は、断固とした夜型である。
ピークを見極めて生産性を上げる
最終的に重要になるのは、タイプと作業と時間の整合性である。これを「同時的効果」と呼ぶ。同時性は、倫理行動にまで影響を与える。
スケジュールをあまり自分でコントロールできない場合でも、注意力と明快な思考力が求められる最重要の仕事は、ピークの時間帯に入れるようにすること。2番目に重要な仕事、もしくはひらめきを要する作業は、回復の時間帯に入れること。ルーティンワークをピークの時間帯にまぎれ込ませてはいけない。