メルカリの創業から急成長までを描いた物語。なぜ、フリマアプリの中で、メルカリだけが急成長することができたのか。メルカリのこれまでの戦略などが紹介されています。
■初日のダウンロード数は400
メルカリは、サービス開始から約1年たった2014年9月にアプリの累計ダウンロード数が500万を突破し、売買された物品の総額は月間数十億円規模に達している。極めて順調な滑り出しに見える。
ところが、それまでの状況はお世辞にも褒められるものではなかった。開発を率いていたエンジニアは突然離職し、使用したプログラミング言語には問題があることが分かって開発中のプロダクトをすべて廃棄することも経験した。フリマアプリでは後発であったにもかからわず、開発スケジュールは遅れに遅れた。
スタートアップ企業の経営者は、預金通帳の残高が減っていく恐怖との戦いを余儀無くされる。メルカリはどうにか残高がゼロになる前にサービスを始められた一社だが、初日のダウンロード数はわずか400だった。
メルカリの2015年6月国内におけるアプリの累計ダウンロード数は1700万だったが、1年後には3300万、さらに翌年は5500万に増えている。新規上場の直前には7100万に達し、日本国民の半分以上が使ったアプリになった。
これまでマーケティングは究極的には「いかに新品を売るか」がテーマだった。しかし、再販を前提にきれいに使ったり、購入時のタグを捨てずにとっておいたりといった行動が広がってきた。「どう利用するか」「どう廃棄するか」が重要になり、常識が変わるかもしれない。
著者 奥平 和行
日本経済新聞 編集委員 1999年、日本経済新聞社入社。東京本社編集局産業部(現企業報道部)に配属となり、商社、自動車、電機、通信などの業界を担当。 2010~2014年には米シリコンバレー支局でITやスタートアップを取材した。2017年より編集委員。IT、自動車、スタートアップなどをカバーする。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
プロローグ | p.1 | 9分 | |
1 誤算 | p.20 | 10分 | |
2 再起動 | p.38 | 13分 | |
3 唯一無二 | p.60 | 9分 | |
4 急げ | p.76 | 8分 | |
5 焦る理由 | p.90 | 8分 | |
6 逆転 | p.104 | 20分 | |
7 求心力 | p.138 | 8分 | |
8 アメリカ | p.152 | 10分 | |
9 青いメルカリ | p.170 | 14分 | |
10 成長痛 | p.194 | 8分 | |
11 テックカンパニー | p.208 | 8分 | |
12 プラットフォーム | p.222 | 9分 | |
エピローグ | p.237 | 5分 | |
あとがき | p.246 | 6分 |