窮屈な人間関係や同調圧力など、現代社会においても存在する組織の「空気」を研究した著書『「空気」の研究』をわかりやすく解説した一冊。
なぜ、未だに企業などの不祥事が絶えないのか、その根本的な原因がわかります。
■合理的な思考を歪める空気
変われない組織には、なぜか類似する「空気」がある。日本社会に息苦しさを生み出す空気と、個人に自由を許さない共同体原理。『「空気」の研究』の著者、山本七平氏は空気の拘束から脱出するためには、その正体をまず正確に把握すべきだと何度も強調している。
空気には「合理的な思考をゆがめる強力な力」がある。空気が悪影響を及ぼすところでは、公平な意見は遮られ、合理性を基にした判断も差し挟む余地がなくなる。
空気の支配は「この考えに従え」「これを疑うな」「この前提をそのまあ飲み込め」といった強固な圧力を生み出し、日本人を抑圧する。
空気が固定化されると、問題解決力は消失する。現実を無視して前提通りにふるまう虚構は、その背後で問題を膨張させ、破綻と悲劇を巨大化させる。空気の打破とは、日本人が知性を回復することであり、豊かな未来を見出すスタートラインとなる。
著者 鈴木 博毅
1972年生まれ。戦略マーケティング・コンサルタント MPS Consulting代表 大学卒業後、貿易商社にてカナダ・豪州の資源輸入業務に従事。その後国内コンサルティング会社に勤務し、2001年に独立。戦略論や企業史を分析し、負ける組織と勝てる組織の違いを追求しながら、失敗の構造から新たなイノベーションへのヒントを探ることをライフワークとしている。 顧問先にはオリコン顧客満足度ランキングで1位を獲得した企業や、特定業界での国内シェアNo.1企業など多数。
帯 作家 佐藤 優 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに 今も昔も日本人を支配するもの | p.3 | 6分 | |
第1章 日本を支配する妖怪の正体 | p.27 | 17分 | |
第2章 なぜ日本人は集団だと狂暴になるのか? | p.63 | 14分 | |
第3章 なぜ日本人は感染しやすいのか? | p.93 | 19分 | |
第4章 私たちはこうして思考を乗っ取られる | p.133 | 15分 | |
第5章 なぜ日本人は「常識」に縛られてしまうのか? | p.165 | 17分 | |
第6章 「日本劇場」を操る「何かの力」 | p.201 | 18分 | |
第7章 どうすれば空気を破壊できるのか? | p.239 | 24分 | |
おわりに──空気を超克する新たな時代の創造へ | p.289 | 3分 |
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