従来の営業方法では、コモディティ化の罠を脱することはできない。データ分析からわかった効果的なB2Bの営業手法を紹介している一冊。
■5.4人問題
客が買わない理由はたくさんあるが、明らかな「主犯」は、今日のソリューション購買に関わる顧客関係者の数と種類が激増していることだ。その上、契約前に介入する人の数が増加し続けているせいで、そこに深刻な機能不全が生じている。サプライヤーが直面しているコモディティ化の多くは、顧客が「そこそこ」で妥協しようとする結果ではなく、彼らが何事にも合意できなくなっている結果である。コスト意識とリスク回避傾向の高まった意思決定者が、たとえ小さな事柄でも一人で決めるのをためらうようになったからだ。
一般的なB2B購買に関わる3000人以上の関係者に尋ねたところ、購買決定に正式に関わる人数は平均で5.4人になる。誰かが「ノー」という可能性もそれだけある。この5.4人には異なる視点や考え方がある。多様な関係者への販売戦略には多大な時間と労力が必要となる。
今日のセールスにおける問題の本質は、サプライヤー組織が上手に売れないことではなく、顧客組織が上手に買えないことにある。そして、その問題の大部分は、顧客がソリューション購買のほぼすべてに関与する幅広い関係者の合意をなかなか取り付けられない点にある。
著者 マシュー・ディクソン
CEB エグゼクティブ・ディレクター 世界有数のアドバイザリー会社CEBにおいて、エグゼクティブ・ディレクターをを務める。CEBは、数千社におよぶクライアント企業の成功事例、先進的な調査手法、人材分析を組み合わせて、経営陣に事業変革のための知見やソリューションを提供。 その独自アプローチで、世界中のエグゼクティブから注目を集めている。
著者 ブレント・アダムソンCEB マネージング・ディレクター 会員制アドバイザリー会社CEBのセールス&マーケティング・プラクティスのプリンシパル・エグゼクティブ・アドバイザー。
著者 パット・スペナーCEB セールス&マーケティング イニシアティブリーダー
帯 作家 ダニエル・ピンク |
帯2 作家 セス・ゴーディン |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.25 | 3分 | |
第1章 顧客とのコンセンサスの「暗部」 | p.29 | 31分 | |
第2章 モビライザー | p.77 | 22分 | |
第3章 「忘れさせること」の効能 | p.111 | 26分 | |
第4章 コマーシャルインサイトの構築 | p.151 | 17分 | |
第5章 コマーシャルインサイトの活用 | p.177 | 15分 | |
第6章 モビライザーへの「指導」 | p.201 | 18分 | |
第7章 二種類の「適応」 | p.229 | 20分 | |
第8章 コンセンサス創造の「支配」 | p.261 | 24分 | |
第9章 集団的学習(コレクティブラーニング)の実践 | p.299 | 23分 | |
第10章 チャレンジャー・コマーシャル・モデルへの移行 | p.335 | 43分 |