意見の衝突、強い感情をともなう極めて重要な話し合いにおいて、どのように対話を進めれば良いのか。失敗しがちな難しい問題についてのコミュニケーションを成功させるための方法を紹介している一冊。
■クルーシャル・カンバセーションとは
多くの場合、人間社会の問題は、重要な結果や強い感情を伴う問題について相手と意見が食い違った時に、私たちがとる態度に根本的な原因がある。だから、重要な結果を伴う「決定的(クルーシャル)」な瞬間を自在にコントロールできる人から、その人が常日頃実践しているスキルを学べば、組織の能力を劇的に向上させることができる。
クルーシャル・カンバセーションとは、次の3つの場合が考えられる。
①意見が異なる(反対意見)
②重要な結果を伴う
③ひどく感情的になる(強い感情)
クルーシャル・カンバセーションは、単に扱いが難しい、不愉快で苛だたしい、鬱陶しいだけではない。その結果が、今後の生活の質に多大な影響を及ぼす。にもかかわらず、私たちは事態を悪化させることを恐れ、こうした話し合いを避ける傾向がある。
重要な結果、反対意見、強い感情を伴う問題を話し合う時、私たちはたいてい最悪の行動を取ってしまう。それを成功に導くためには、自分の認識のプールに何があるかを説明し、相手にもそれぞれのプールに何があるかを伝えてもらうようにすればいい。
著者 ジョセフ・グレニー
コンサルタント 著名な基調講演スピーカーでもあり、過去20年にわたって大規模な組織改革を設計、指揮してきた。貧しい人々の経済的自立を支援するNPO「ユナイタス」の創始者としても活躍している 。
著者 ケリー・パターソンコンサルタント 優れたトレーニング・プログラムに贈られる数々の賞を受賞したバイタルスマート社プログラムの中心的な開発者であるとともに、多くの組織改革を率いてきたコンサルタントである。 2004年にはBYUマリオット経営大学院から組織行動論の分野での貢献に対して贈られる栄誉あるダイアー賞を授与された。
著者 ロン・マクミラン講演家、コンサルタント コヴィー・リーダーシップ・センター創業者の一人としてR&D部門の副社長を務めた。経営者から初任マネジャーまで幅広い層を対象としたリーダーシップ開発やチーム開発の経験を有する。
帯 経営コンサルタント スティーブン・R・コヴィー |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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まえがき | p.10 | 3分 | |
第1章 クルーシャル・カンバセーションとは何か? ―誰にかかわるものなのか? | p.19 | 17分 | |
第2章 クルーシャル・カンバセーションをマスターする ―会話の力 | p.45 | 13分 | |
第3章 本音を探る ―本当に欲しいものに集中し続けるには | p.65 | 17分 | |
第4章 観察する ―安全性が損なわれていることに気づくには | p.91 | 23分 | |
第5章 安心させる ―安心して何でも話せるようにするには | p.127 | 30分 | |
第6章 新しいストーリーを創る ―怒り、怯え、痛みを感じたときに会話を続けるには | p.173 | 27分 | |
第7章 プロセスを告げる ―相手の気に障らないようにうまく話をするには | p.215 | 25分 | |
第8章 相手のプロセスを探求する ―相手が腹を立てたり黙り込んだりしているときに話を聞くには | p.253 | 21分 | |
第9章 行動に移す ―クルーシャル・カンバセーションを行動に移して結果を出すには | p.285 | 12分 | |
第10章 確かにそうだが…… ―難しいケースへのアドバイス | p.303 | 22分 | |
第11章 これまで学んできたことをまとめる ―心がまえと学習のためのツール | p.337 | 12分 | |
あとがき クルーシャル・カンバセーションについて | p.355 | 9分 |