集中力ゼロでも続けられる読書術
「読書が苦手だ」と意識している人は、そのことを意識して、ある意味、慎重に読書をする。そのため、時間もかかり「自分は読むのが遅い・苦手だ」と感じながらも、何が書かれているのかじっくり考えながら読む。結果、速く読む人よりも深い読み方ができる。
集中力が散漫でも、その散漫力を読書に生かすことができる。1冊の本をずっと読むという一般的な読み方ではなく、散漫力を発揮しながら高レベルの本や、すらすら意味がわかる本2、3冊をかわるがわる読む。そうすると飽きないだけでなく「この本とこの本のこの部分を結びつけたら、テーマが深掘りできてすごい見方ができる」といった発見ができる。
散漫力を生かした読書を進化させた読書術が「三角読み読書術」である。食事では「ごはん・おかず・味噌汁」の三角食べが理想的だと言われたが、「読む・考える・書く(ツイート)」の三角読みである。引っかかった言葉や文章については、別の本を読みながらでもずっと頭を巡らしている。そして、ツイッターに考えを書くことで、いったん頭を真っ白な状態、ニュートラルな状態にしてから、もう一度本を読んだり、原稿を書いたりする。
読書が苦手な人は、読書が好きな人のような読み方では読めない。無理に読もうとすると、余計に嫌になる。読書嫌いには読書嫌いなりの読み方がある。
無駄な読書はしない
つまらない本を最初から最後まで読むのは時間の無駄である。1章目か、読みたい章があれば、まずは20ページぐらい読む。そこで「たいしたことない」と思ったら斜め読みすればいいし、酷かったら読むのをやめて次の本に移ればいい。読書が苦手で時間のかかる人は、そうやって無駄な読書をしない工夫が必要である。
「わかったつもり」が飛躍につながる
一度読んだだけではわからないけれど、その本が発するエネルギーに共鳴して深い感動、感銘があった。だからまた読みたくなる。あるいはそのテーマについて興味が出て、勉強する。読書をする上で大切なのは、この感覚である。エネルギーのある本と出会ったら、その出会いを大切にすること。その時にわからなくても、エネルギーを本能的に感じ、「いつか理解したい」という気持ちこそが、読書を続ける動機の1つになる。
そして、読書には「わかった気になる」ことがとても重要である。わかった気になって聞いたり読んだりしている内に、だんだん本当にわかってくる。難しい100分の内、5分でもわかったら「ここの部分はわかった。いいこと聞いたなぁ」と喜ぶ人は、さらに高い次元のことを知ろうとするから、結局遠くまで飛躍できる。「わからない」と思わないで、ちょっと背伸びしてわかった気になって読む、わからないことでも面白く聞けたり読めたりするようになる。