アイデアもないゼロの状態から、新規事業を立ち上げるための手順が紹介されている一冊。新規事業を考案して、事業計画に落とし込むまで、何をしなければならないか、どのように考えなければいけないかが書かれています。
■新規事業の考え方
新規事業と既存事業の一番の違いは「検討の自由度」である。新規事業は、わからないことが多い中で、やらなくてはいけないこと、決めなくてはいけないことがたくさんある。それを既存事業と同じようにやろうとするのは、論理的な難しさだけでなく無謀である。まずは「新規事業と既存事業は違う」ということを頭に刻むこと。
新規事業を考えるのは、状況がどんどん変わる中で、常に素早く、最善の手を打ち続けなければならない状況で、スピード感がなくてはならない。とりあえず問題だと思うものに対して、とりあえず手を打って、その結果を見ながら次の手を考えるといった柔軟な対応が必要である。
新規事業の検討範囲は、あるようではっきりしたものは存在しない。このため、まずは「ざっくり」と自分のやりたいことを決める。そして、しばらくは具体的なアイデアを色んな方向にたくさんぶつけながら「ストラークゾーン」を探っていく。
「単なるアイデア」を「事業コンセプト」にしていくために質問をしていく。
①事業概要:「誰に」「何を」「どうやって」の概要を決める
②顧客の現状・課題分析:誰のどんな困りごとを解決するのか
③使用シーン:どんな場面で、どのように使われるのか
④顧客への提供価値:その顧客にどんなうれしいことがあるのか
⑤商品・サービス設計:どのような商品・サービスなのか
⑥ビジネスモデル:どうやって提供するのか?
⑦競合状況:あなたの商品やサービスは何と比較されるのか?
⑧市場と市場規模:世の中のどこに分類されるのか?
⑨マネタイズモデル:どうやって儲けるのか?
⑩意義・ビジョン:なぜ、今、自分はこれをやるのか?
著者 岩田 徹
アイディアポイント 代表取締役 外資系コンサルティング会社(A.T.Kearney、Roland Berger)、外資系大手ソフトウェア会社(SAP Japan)を経て、セルムグループにて、ファーストキャリアの設立に参画。 その後、同グループ内にて「企業とヒトの創造性開発」をテーマにアイディアポイントを設立。企業の新規事業開発支援、新商品企画コンサルティングサービス提供と同時に、組織・個人に対する創造性開発ワークショップを行う。
帯 ライフネット生命保険 会長 岩瀬 大輔 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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プロローグ | p.3 | 3分 | |
phase1 新規事業の「考え方」と「陥りやすい罠」 | p.17 | 22分 | |
phase2 アイデア出しの定石を踏む | p.55 | 24分 | |
phase3 ふわっとしたアイデアを「事業コンセプト」にする | p.97 | 36分 | |
phase4 時間&順番を入れて「事業計画」を仕上げる | p.159 | 16分 | |
phase5 「人を動かす」伝える力とプレゼンテーション | p.187 | 17分 | |
エピローグ さあ、「事業を起こす」人になろう! | p.217 | 13分 |