『論語と算盤』に書かれていることを、400文字のあらすじで紹介している一冊。渋沢栄一の教えがわかりやすく、まとめられています。
■道徳とビジネスは遠いようで近い
商売は、道徳によってうまくいく。それと同時に、道徳もまた商売によって本当の意味で世の中を潤すことができる。この2つはかけ離れているようで実は近いものだ。
うわべだけのきれいごとでは社会は発展しないため、進歩のためには「富を増やしたい」という欲望が必要になる。その富が永続するためには、根幹に必ず「仁義」や「道徳」といった正しい道理がいる。だから、論語と算盤という、一見かけ離れたものを合わせようとしている。
どんなに忙しく大変であっても、大きな喜びや感動を持って事業に取り組んでいるならば、飽きや嫌気などの苦痛を感じることはない。反対に、全然楽しくもない仕事には自然と嫌気がさすものだ。
精神がイキイキして、楽しんでいる中に自分の興味がわくものを見つけると、無限の感興が呼び起こされる。そしてその感興が、事業の発展へとつながる。こういった働き方が幸せといえるだろう。
ある程度人生が決まっていたとしても、自分で努力して運命を切り開かねば、決してそういった幸せを掴むことはできない。それぞれが楽しく仕事をして、良いものにするよう努めていかねばならないのだ。
著者 渋澤 健
1961年生まれ。渋沢栄一の孫の孫 1983年、米テキサス大学卒業後、日本国際交流センターに入る。MBA取得後、JPモルガンやゴールドマン・サックス証券などを経て、米系ヘッジファンドに入社。 2001年に独立し、投資コンサルティング会社のシブサワ・アンド・カンパニー社長。 2008年に、コモンズ投信を創業し、会長に。
帯 サントリーホールディングス 代表取締役 新浪 剛史 |
帯2 北海道日本ハムファイターズ監督 栗山 英樹 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.2 | 1分 | |
第1章 処世と信条―富と仁義の章 | p.11 | 7分 | |
第2章 立志と学問―青年と勤勉の章 | p.37 | 8分 | |
第3章 常識と習慣―人間と人格の章 | p.67 | 7分 | |
第4章 仁義と富貴―お金と社会の章 | p.93 | 6分 | |
第5章 理想と迷信―若者と仕事の章 | p.115 | 7分 | |
第6章 人格と修養―知性と学問の章 | p.141 | 7分 | |
第7章 算盤と権利―競争と利益の章 | p.167 | 5分 | |
第8章 実業と士道―身分と魂の章 | p.185 | 7分 | |
第9章 教育と情誼―親と学校の章 | p.211 | 6分 | |
第10章 成敗と運命―成功と努力の章 | p.233 | 6分 |
現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書) [Amazonへ] |