AirbnbやUberなどのプラットフォームビジネスの仕組みを解説し、どのようにビジネスモデルを設計すべきかを紹介している一冊。
■デジタルプラットフォームへのシフト
プラットフォームには、伝統的な経営手法にはない特有の共通点がある。新興企業は、独自のやり方で人々を誘致し、仲介して、お互いと取引できるよう彼らを結びつける強力なエコシステムを備えている。プラットフォームとは、在庫を持ったり製造したりするよう要求されることのない、コミュニティの力で取引を発生させるオープンなビジネスモデルだ。
多くの場合、プラットフォームは、コミュニティの力をもたらすことで既存企業に対する真の競争相手となる。もはや店舗のような物理的な資産からは競争優位を得られず、「デジタル配信モデル」が必須となった。オフラインからオンラインへシフトする陰で、この「デジタル・プラットフォーム・ビジネスモデル」への進化こそが本質的な変化である。
■プラットフォームビジネスの台頭
昔から、市場は物理的で局所的なものだった。売り手と買い手を結びつける行為は社会の基本構造を支える大きな力であり、それゆえ、市場や仲介業は身近な存在だった。しかし、ここ20年で状況は変わった。テクノロジーの進展によってこうしたビジネスモデルをグローバルに拡張できるようになった。
アップルやグーグル、イーベイなどのテクノロジー企業の拡張スピードやグローバル化はこれまでの比ではない。いずれも皆、デジタル・プラットフォームに下支えされている。同じような企業が次々と現れ、B2Cビジネスそのものが刷新されている。フェイスブックがメディア、アマゾンが小売、ウーバーが交通、ワッツアップが通信、ペイパルが決済、サウンドクラウドが音楽、エアビーアンドビーが宿泊で起こしたような変化が、その他の多くの分野でも起きている。領域はB2Bまで広がり、その数を増やしている。
著者 ロール・クレア・レイエ
ローンチワークス 共同設立者 ディレクター プラットフォームの立ち上げや拡大の支援を専門とし、ECや通信、ソフトウエア会社のマーケティングや製品・サービス開発に深い知識と経験を持つ。 後にIBMに買収されたスタートアップのMetricaやWatchMark、ブリティッシュテレコムグループのBT Retail、VoIPソフトウエアのスタートアップGoodman Blue、イーベイを経て、ローンチワークスを設立。 ESCP Europeの講師や修士号審査委員も務める。
著者 ブノワ・レイエローンチワークス 共同設立者 マネージング・ディレクター コミュニティやプラットフォーム・エコシステムを駆動させるためのビジネス設計、戦略実行の支援を専門とし、数多くの著名企業、規制当局や政府にアドバイスを行う。 1990年代の通信自由化にかかわるフランス政府の仕事をはじめ、LECG(現FTI)やテリア・モバイル・インターナショナル、KPMGを経て、ローンチワークスを設立。 ヨーロッパを代表するビジネススクールESCP Europeの講師も務める。
帯 ゼニスメディア副社長 トム・グッドウィン |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.3 | 6分 | |
第1章 新たなビジネスモデルの登場 | p.19 | 10分 | |
第2章 急成長するプラットフォーマー | p.33 | 7分 | |
第3章 ビジネスのルールはどう書き換えられたか | p.43 | 10分 | |
第4章 プラットフォームを支える経済原理 | p.57 | 10分 | |
第5章 ビジネスモデルとしてのプラットフォーム | p.71 | 16分 | |
第6章 アマゾン、アップル、グーグルが強化するエコシステム | p.93 | 16分 | |
第7章 設計――事業構造をデザインする | p.117 | 18分 | |
第8章 点火――コンセプトを実証する | p.141 | 15分 | |
第9章 上昇――クリティカルマスを突破する | p.161 | 16分 | |
第10章 安定――利益ある成長を続ける | p.183 | 15分 | |
第11章 相互作用を促す価格戦略 | p.207 | 18分 | |
第12章 信頼を醸成する仕組みをつくる | p.231 | 22分 | |
第13章 規制と競争はどうあるべきか | p.261 | 19分 | |
第14章 既存企業の対抗策 | p.287 | 13分 | |
第15章 プラットフォームの未来 | p.305 | 12分 | |
おわりに | p.321 | 1分 |
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