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2019/05/20更新

直観の経営 「共感の哲学」で読み解く動態経営論

328分

4P

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人間の創造はどのようなプロセスを経て行われるのか

知識を創造するプロセスを現象学という無意識のプロセスを扱う学問の観点から、解説している一冊。前半に現象学、後半に知識創造経営をテーマにしています。


■情報処理から知識創造へ
情報は量を客観的に計算できるが、知識は個人が情報を主観的に意味解釈した上で獲得するもの。そして、真の意味で実践的な知識を生み出すには、人間が外界や他者と関わり合う中で、情報を自ら選定し、感知し、解釈し、実践し、身体化しなければならない。

絶えず変化する環境の只中で、外界や他者から何かを感知しつつ、それらを意味付けることによって、自分なりの「現実」を作り出し映し出すのが、人間の「心」である。感覚・知覚・思考が行為と直結し、身体を媒介に環境とオープンに相互作用する「身体化された心/拡張された心」という現象学の影響を受けた脳科学のアプローチが今、主流になりつつある。

超短要約

経験の積み重ねによって培われる「本質直観」という人間特有の能力は、帰納でも演繹でもなく、創造的思考の根源だと言われるアブダクションである。

人間は、状況の細部を、動く身体を使って感じ、状況に応じて解釈し、全体と往還しながら新しい意味をつくり出し、新しい解を見つけ出す能力を持っている。未来を想像し、創造する力は、人間にしかない。

著者 野中 郁次郎

1935年生まれ。一橋大学名誉教授 早稲田大学特任教授 カリフォルニア大学バークレー校経営大学院ゼロックス知識学特別名誉教授 知識経営の生みの親として知られている。英語で出版された『知識創造企業』は多くの賞賛と賞を受賞し、『ハーバード・ビジネス・レビュー』にもその論文は掲載された。 これ以外にも、多くの著作が英語で出版されており、アメリカで知られる数少ない日本人経営学者であるほか、近年中国などでも知られる存在となっている。 理論の特徴は、知識がもっとも重要な経営資源とよばれる「知識社会」においていかにして知識を上手く経営するかというところにある。

著者 山口 一郎

1947年生まれ。東洋大学 名誉教授 1994年ボッフム大学にて哲学教授資格取得。1996~2013年まで東洋大学教授、現在、東洋大学名誉教授

この本を推薦しているメディア・人物

帯
早稲田大学ビジネススクール准教授 入山 章栄
帯2 帯2
脳科学者 茂木 健一郎

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.3 3分
対談 経営学を「カッコ」に入れよ p.13 11分
第1章 現象学は欲張りな学問 p.31 13分
第2章 本質直観という方法 p.49 17分
第3章 先入観を「カッコ」に入れる p.73 9分
第4章 感覚と知覚は何が違うか p.85 14分
第5章 「現在」の成り立ちを問う p.105 19分
第6章 現象学・脳科学・仏教 p.131 16分
第7章 二重の相互主観性 p.153 34分
対談 戦略とは「生き方」である p.185 10分
第8章 SECIモデル p.201 17分
第9章 相互主観をどう育むか p.225 17分
第10章 集合本質直観の方法論 p.249 21分
第11章 「物語」と「物語り」 p.279 17分
第12章 本質直観の経営学 p.303 33分
対談 日本人の集合本質直観の力 p.349 11分
おわりに p.364 1分

この本に影響を与えている書籍(参考文献、引用等から)

ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学 (中公文庫) ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学 (中公文庫)
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禅と日本文化 (岩波新書) 禅と日本文化 (岩波新書)
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七つの資本主義―現代企業の比較経営論 七つの資本主義―現代企業の比較経営論
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