人類はやがて生き延びるために宇宙に移住する必要がある。火星への移住から、その他の惑星への移住の可能性など、人類のこれからの未来を描いた一冊。
■宇宙探査の黄金時代
かつては高すぎて国家予算の足かせになりそうだった宇宙旅行のコストが、次第に低下した。主に新進の企業家たちから流れ込む、エネルギーと資金と熱意のおかげである。イーロン・マスクやリチャード・ブランソン、ジェフ・ベゾスのような億万長者が小切手帳を開いて新たなロケットを建造している。
問題は、もはや米国が火星に宇宙飛行士を送るかどうかではなく、いつ送り込むかだ。惑星間旅行の可能なロケットと宇宙モジュールは現在、初期のテスト段階にある。これらは重量物を打ち上げ、宇宙飛行士を月や小惑星、火星、さらに遠くへと運ぶだろう。幅広い現代テクノロジーの革命的な進歩によって、我々の文明がいつか宇宙へ進出し、惑星をテラフォーミングして星々の間を飛び回る様が、今や予想できる。
■新しい惑星を探す
今や、宇宙機ケプラーと地上の天文学者たちが、天の川銀河で太陽以外の恒星をめぐる惑星を4000個ほども見つけているので、文明が実在するのではないかと思われるようになっている。
2017年、NASAの科学者たちが、地球からわずか39光年という近さの恒星をめぐる地球型惑星を、7つも発見した。内3つは、主星に近すぎて液体の水を保持することができないが、ほどなく天文学者は、これらや他の惑星に、水蒸気を含む大気があるかどうかを確かめられるだろう。水は「万能溶媒」として、DNA分子を構成する有機化合物を混ぜ合わせられるので、科学者は、生命の条件が宇宙にありふれていることを明らかにできるかもしれない。我々は、地球に瓜二つの星を宇宙に見つける寸前かもしれない。
著者 ミチオ・カク
ニューヨーク市立大学理論物理学教授 「ひもの場の理論」の創始者の一人。科学著書がベストセラーとなる。 BBCやディスカバリー・チャンネルなど数々のテレビ科学番組に出演するほか、全米ラジオ科学番組の司会者も務める。
WEDGE |
帯 元ライブドア 代表取締役 堀江 貴文 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに 多惑星種族へ向けて | p.16 | 8分 | |
第1章 打ち上げを前にして | p.30 | 18分 | |
第2章 宇宙旅行の新たな黄金時代 | p.53 | 19分 | |
第3章 宇宙で採掘する | p.77 | 8分 | |
第4章 絶対に火星へ! | p.87 | 15分 | |
第5章 火星──エデンの惑星 | p.106 | 19分 | |
第6章 巨大ガス惑星、彗星、さらにその先 | p.131 | 13分 | |
第7章 宇宙のロボット | p.150 | 28分 | |
第8章 スターシップを作る | p.186 | 31分 | |
第9章 ケプラーと惑星の世界 | p.226 | 16分 | |
第10章 不死 | p.248 | 22分 | |
第11章 トランスヒューマニズムとテクノロジー | p.276 | 20分 | |
第12章 地球外生命探査 | p.302 | 23分 | |
第13章 先進文明 | p.332 | 46分 | |
第14章 宇宙を出る | p.391 | 18分 |
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