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2019/06/26更新

マニュファクチャー2030 未来の製造業

222分

4P

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デジタル化される製造業のこれから

製造業の「エンジニアリングチェーン」と「サプライチェーン」の課題と対策を示しながら、今後、AIやIoT活用によってどのようにデジタル化されていくかを解説する一冊。


■製造業はソフトウェアの技術力も磨け
製造業の競争力は、製品(ハード)そのものの競争力と、製品のサービス化での競争力が重要になる。この2つの競争力を向上させるのは技術力である。ハードの技術力の大小は、設計者や生産技術者などのエンジニアリングチェーン(研究・開発・生産技術)の人材の質と量により決まる。一方のソフトの技術力は、サプライチェーン(計画・調達・生産・販売・物流)の業務推進者と、IT・IoT・AI活用のシステムに関わる人材の質と量により決まる。

日本の製造業の強みは、ハードの技術力。その技術力を生かすためにも「ソフト経営改革力」を磨くことが必要である。製造業は、自社にIT人材を招き入れ、育成・強化することが急務である。

超短要約

■製造業の流れ
①ソフト化
製造業は、第3次産業化して「ソフト化」が進むと言われている。製品ライフサイクルは短くなり、競争力は製造よりも商品開発や設計に比重が移る。さらに製造業から様々な専門サービスが生まれ、第3次産業の中でも高い付加価値を持つサービスが出てくるという予測もある。

工場はサプライチェーンネットワークの1つのノードになっていくという大きな潮流がある。ノードは、商品センターのように簡単な保管や詰替を行う程度の滞留が基本。工場においても短いリードタイムでお客様に対して迅速に対応することが必要になってきている。

これまで受注生産は「リードタイムが長い」ことが避けられない欠点だった。このリードタイムを縮めれば商品競争力を高めることができるため、工場内だけでなくサプライチェーンに投資をして、商品を即納する動きがグローバルに広がっている。

②グローバル化
海外への工場進出はもはやグローバル戦略の1つとして欠かせないものになっている。工場進出が進むと、次は部材のローカル調達である。さらに現地に密着して商品開発面で差異化を図るため、開発部隊の「現地化」も大きな流れになっている。

ソフト化、グローバル化という中で、製造業はどのような製造戦略を立てるべきか。製造業にとって理想的な事業展開は、技術をバックグラウンドにNo.1製品を開発し、他社の追従を許さない間に量を拡大し、コストを低減し、シェアを拡大していくという好循環である。

製造業としてのあるべき姿は「シンプル」「スピード」「コラボレーション」を実現することである。

著者 松島 大輔

1973年生まれ。長崎大学教授 通商産業省入省後、2006年から4年近くインドに駐在し、インド経済の勃興と日本企業のインド進出を支援。 DMIC構想やインドのチェンナイ、グジャラートの他、タイ、ミャンマーなどで数々のプロジェクトの立ち上げと推進。 2015年より長崎大学でグローバル人財育成のため教鞭を執るかたわら、日本の地方中堅・中小企業が、海外の各地域の課題を解決しながらビジネスの案件形成を目指す実践を展開、グローバル・アントレプレナー教育の体系化と越境型イノベーションの理論化を研究中。

著者 川上 正伸

ワクコンサルティング・エグゼクティブアドバイザー 日本IBM藤沢工場にて、生産管理や生産技術を歴任(生産計画、部品計画、在庫管理、需給管理、生産管理システム開発等)。日本IBMコンサルティング事業部にて、IBM認定シニアコンサルタントとして製造業のお客様の業務改革を支援。 IBMビジネスコンサルティングサービスにて、社内ビジネスプロセスの立上げ、事業戦略策定、セールスオペレーション、若手人材育成、人事全般等を担当。 2006年よりワクコンサルティングに参画し、常務執行役員、副社長執行役員を歴任、2017年より現職。

著者 竹内 芳久

ワクコンサルティング エグゼクティブコンサルタント 日産自動車にて生産管理、生産技術、製造部門を歴任(IE、生産・工程管理システム開発、日産生産方式推進等)。 米国HONEYWELLにて日本工場長、Honeywell Operating System構築および推進リーダーとしてグローバルに業務改革を推進。 ジャパンインダスリアルソリューションにて、投資先製造会社のバリューアップを支援。2018年よりワクコンサルティングのパートナー。 駿河台大学および東京情報大学元非常勤講師(生産管理論)

この本を推薦しているメディア・人物

帯
日鉄ソリューションズ 取締役副社長 北村 公一
帯2 帯2
荏原製作所 情報通信統括部長 小和瀬 浩之

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.2 3分
第1章 グローバル製造業としての課題と戦略 p.9 30分
第2章 グローバル製造会社の将来の姿 p.49 31分
第3章 グローバルエンジニアリングチェーンの将来の姿 p.91 28分
第4章 グローバルサプライチェーンの将来の姿 p.129 27分
第5章 グローバルスマート工場の将来の姿 p.165 25分
第6章 グローバル製造業の地域戦略 p.199 27分

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