2005年の楽天がTBSの株式を取得した時から12年間、IRを担当してきた著者の記録。ライブドアショックや楽天クレジットカードの過払金問題、東日本大震災など、多くの問題の中で、投資家との対話を続けてきたIRの裏側を知ることができます。
■IRとは
株式会社というものが何か大きなチャレンジを行う時には、リスクマネーの供給者である資本市場を頼る。そして銀行のように返済の約束がないだけに、投資家と企業との真剣勝負が繰り広げられる。それが企業と投資家との対話の基本である。
この真剣勝負は、投資家の頭の中にある企業価値計算のスプレッドシートをどう変化させ、価値を高め、購入の意思決定をしてもらえるかという、一種の知的バトルでもある。
IRは「投資家と良好な関係を築くこと」ではなく、「株を買ってもらうこと」こそが目的である。
著者 市川 祐子
1970年生まれ。マーケットリバー 代表取締役社長 1993年NEC入社。半導体部門の分社・上場等を担当。2005年楽天入社、IR統括及び財務企画に従事。2016年同社IR部長。2018年アライドアーキテクツ社外取締役(現任)。 約15年間にわたり、IR、資金調達及び東証一部上場準備を経験。Institutional Investor誌において2013年より5年連続「Best IR Professionals」Top 3にランクイン(セクター別)。 経済産業省「企業報告ラボ」企画委員(2012年-2017年)、同省「持続的成長に向けた長期投資(ESG・無形資産投資)研究会(伊藤レポート2.0)」委員(2016-2017年)。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。
帯 一橋大学大学院経営管理研究科特任教授 伊藤 邦雄 |
週刊エコノミスト 2019年 8/6号 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
序 章 | p.10 | 3分 | |
第1章 TBSへの提案と財務危機 | p.15 | 16分 | |
第2章 ひとりIR | p.47 | 6分 | |
第3章 暴落後、反転 | p.59 | 9分 | |
第4章 楽天の理念とビジネスモデル | p.77 | 10分 | |
第5章 金融事業への毀誉褒貶 | p.97 | 10分 | |
第6章 東日本大震災と直後の株主総会 | p.117 | 5分 | |
第7章 一円ストックオプション導入とSR | p.127 | 9分 | |
第8章 東証一部上場と楽天イーグルス日本一 | p.145 | 17分 | |
第9章 ヤフー・ショッピング無料化 | p.179 | 10分 | |
第10章 IRの仕組み化 | p.199 | 7分 | |
第11章 グローバル・オファリング | p.213 | 22分 | |
特別編 コーポレートガバナンス・コードと資本コスト | p.257 | 13分 | |
おわりに | p.282 | 2分 |
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