内的自己認識と外的自己認識
①内的自己認識
自分自身を明確に理解する力。自分の価値観、情熱、野望、理想とする環境、行動や思考のパターン、リアクション、そして他者への影響に対する内的な理解である。内的自己認識の高い人物は、本来の自分に見合った決断を下し、より幸せで満足度の高い生活を送る傾向にある。
②外的自己認識
周りが自分をどう見ているかを知る力。外的自己認識に長けた人々は他人の視点から自分自身を正確に理解できるため、より強固で信頼度の高い関係を築くことができる。
内的自己認識ができる人は、外的自己認識もできると想像しがちだが、この2つには何の相関関係も見られない。真の意味で自分を知るには、自分自身を知ると同時に自分がどう見られているかを知る必要がある。
インサイトの7つの柱
大人になってから自己認識に劇的な向上があった人たちは、自己認識に欠けた人々には見られない特徴的な7種類のインサイト(理解)を持ち合わせている。
①価値観(自らを導く行動指針)
②情熱(愛を持って行うもの)
③願望(経験し、達成したいもの)
④フィット(自分が幸せで存分に力を尽くすために必要な場所)
⑤パターン(思考や、感情や、行動の一貫した傾向)
⑥リアクション(自身の力量を物語る思考、感情、行動)
⑦インパクト(周りの人への影響)
7つの柱すべてにとって一番大切なのは内側の視点と外側の視点の両方を持つことだ。それができて初めて、自分自身のことや、自分がどう見られているかを真に理解することができる。
内的自己認識を強化する
①「なぜ」ではなく「何」を問う
「なぜ」の質問は過去に自分を追い詰め、「何」の質問は潜在的な可能性に目を向けさせてくれる。
②比較と対比
これまでの自分の経験や、思考や、感情や、行動の中で共通する点や異なる点を探す。過去に気づかなかったパターンを探す。
③リフレーミング
自分の状況や振る舞い、関係を新しく違った角度から眺める。
④一時停止
疑念を何度も脳内で再生するのではなく、そこから離れて、より冷静な状態で問題と向き合うようにする。
⑤思考停止
決断後の反芻を停止する。
⑥事実確認
反芻に囚われている時、信頼する誰かに事実確認してもらう。
⑦ソリューション・マイニング
解決策に焦点を当てる。早く目標に辿り着くだけでなく、考え込むことを抑えて理解を増す。
外的自己認識を強化する
心底こちらのことを思ってくれる愛ある批判者にフィードバックを求める。自分に近しいからといって、必ずしも信頼できるわけではない。必要以上に複雑な対話となり、感情に負荷がかかる可能性がある。大切なのは、本当に信頼が置け、やり遂げるのを近くで支えてくれるフィードバックだ。