企業が陥りがちな組織課題を8つのケースで紹介し、その対処法を示す一冊。形だけの組織変革に終わらないためには、どうすれば良いのかがわかります。
■組織メカニズムを正すこと
組織課題の原因は「人」や「集団」ではなく、その組織メカニズムによる認知のひずみである。見方を変えると、被害者だと思っていた人が実は加害者だったり、加害者だと思っていた人が実は被害者だったりする。実際は社内に敵はいないのだが、意識の中で「組織」という名のモンスターは勝手に自己増殖されていく。モンスター化を正常化する唯一の方法は、組織のメカニズムを正していくことである。
但し、制度(ハード)で会社は変わらない。組織のメカニズムは、組織制度だけでなく組織心理(ソフト)に根ざしたものである。制度やツールは具体的でわかりやすい一方、組織心理は組織における安全性や信頼性といった目に見えづらいものである。従って組織変革はとかくハード面が強調されてしまうが、実際はその表面的な制度の下に根を張っている社員の心理状況の方が重要である。組織変革に万能薬はない。千差万別に移り変わるコンテクストの中で最も効果的だと思われる処方箋を投与するしかない。
組織をモンスター化させない方法は「柔軟でフラットな組織づくり」の構築である。
著者 リブ・コンサルティング
ベンチャー企業や中堅・中小企業向けを中心とした経営コンサルティングを展開。 「成果創出」にこだわり、経営戦略からマーケティング・セールス、組織開発まで幅広いテーマで事業の発展、組織の変革を支援。近年、海外への事業展開も積極的に行い、韓国、タイ、ベトナム、中国等でもコンサルティングを行っている。
帯 リンクアンドモチベーション取締役 麻野 耕司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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序章 | p.2 | 5分 | |
CASE 01 ビジョナリーかつ成長優先の経営者により、フリーライダーが増殖した組織の変革 | p.33 | 18分 | |
CASE 02 業務過多とデジタル偏重コミュニケーションで低体温化した組織の変革 | p.63 | 17分 | |
CASE 03 人材育成は「他人事」、大量採用・大量離職が当たり前の組織からの脱却 | p.91 | 19分 | |
CASE 04 責任と権限の不一致により事業成長を阻むトップダウン型組織の変革 | p.123 | 17分 | |
CASE 05 二代目MBAホルダー社長が施した急激な戦略転換が生み出す組織のひずみ解消 | p.151 | 17分 | |
CASE 06 「新」「旧」の主力事業部間にできた相互不理解による組織の壁を壊す | p.179 | 18分 | |
CASE 07 熟練技術者を活かせず誤った「機能体組織」の導入で窮地に陥った組織の立て直し | p.209 | 17分 | |
CASE 08 「業績目標達成第一」の営業部長が苦悩する「脱パワハラ組織」への変革 | p.237 | 18分 | |
終章 | p.266 | 6分 |