帝国データバンクが、これまでに倒産した中小企業の事例から、倒産に至る前兆を紹介している一冊。倒産した企業に共通する破綻の公式を解説しています。
■破綻の公式1 業界構造、市況変化の波を打破できない
業界内での自社ポジションや、市況は日々移り変わる。周囲を取り巻く環境の変化に対して柔軟に対応できなければ、企業は倒産への道を辿ることになる。周りの状況はどうであれ、企業の業績は、顧客ニーズにいかに応えたかによって決まってくる。
・子供服リサイクルショップ運営 AKIRA
全国100店舗に迫る勢いだったが、「メルカリ」など、リユース市場に特化したECサイトの台頭で実店舗での販売実績が落ち込み始め、FC運営に失敗。
・ステーキレストラン経営 ステークス
ステーキハウス「KENNEDY」を展開し、店舗数40店舗にまで拡大するが、安売り戦略によって「半額でないと行かない」と消費者をミスリード。「いきなりステーキ」の登場に対して、トレンドに合致しない戦略が失敗。
他社の失敗は再現性の高いものである。なぜなら、経営とは一言で言い表すなら「人・モノ・カネ」の三要素のバランスを保つことであり、この内一要素でも、何かしらの綻びが生じれば、倒産への道を辿ることになる。それは、業種・職種を問わずあらゆる会社に普遍的に存在するような、些細な出来事から生まれる。
著者 帝国データバンク情報部
1900年創業の民間信用調査会社 国内最大の企業情報データベースを保有。帝国データバンク情報部は、中小企業の倒産が相次いだ1964年、大蔵省銀行局からの倒産情報提供に応じるかたちで創設。情報誌「帝国ニュース」の発行、「全国企業倒産集計」などを発表している。
帯 作家 橘 玲 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 1分 | |
破綻の公式1 業界構造、市況変化の波を打破できない | p.13 | 20分 | |
破綻の公式2 大ヒット商品が綻びを生む | p.55 | 15分 | |
破綻の公式3 旧来型ビジネスモデルにしがみつく老舗は潰れる | p.87 | 16分 | |
破綻の公式4 ベンチャー企業の急成長は急転落の序章である | p.121 | 11分 | |
破綻の公式5 攻めの投資で上場企業が破綻する | p.145 | 10分 | |
破綻の公式6 経営陣と現場の乖離は取引先の離反の元 | p.167 | 16分 | |
破綻の公式7 信頼構築のためにトップが不正行為に手を染める | p.201 | 16分 | |
破綻の公式8 「倒産の前兆」はあなたの会社にも存在する | p.235 | 10分 |