150年間変わっていない日本の教育システムは、未だに不毛な受験勉強に時間を費やすことしかしていない。グローバルで活躍する人材を育成するために、海外の難関大学を目指す教育を行なっているインフィニティ国際学院の学長が、海外の難関大学を受験する方法を紹介し、日本型の旧来の教育に警鐘を鳴らしています。
■グローバル教育に投資せよ
受験というフィルターを潜り抜け、日本型の高等教育を受けたエリート集団は、前例を踏襲することや組織防衛には長けていたが、結局、問題を先送りすることしかできず、激変する世界の中で新しいルールも価値も生み出せないまま、バブル崩壊以降の停滞した30年が過ぎた。
日本を再生するためには小手先の対策では意味がなく、10年後、20年後を見据えて、世界で戦うことができるグローバルな人材を養成することこそが最も高い投資対効果が望める対策である。具体的には、優秀な人材が日本の教育に留まらず、世界トップレベルの大学でグローバル教育を受けるようになることである。
グローバル教育を受けるには、コミュニケーション・ツールとしての英語力が絶対に必要である。またポジティブ思考も重要である。そのポイントは失敗をする自由を自分に認めることである。
日本の教育システムは、貴重な人生のゴールデンタイムを意味のない受験勉強に費やさせている。年号の暗記に、穴埋めテストの二文字を覚えるなど、不毛な勉強に多くの時間を使わせている。今は必要に応じて、検索さえすれば、知識や知見が無限に得られる時代である。
最低限の基礎知識は世界に誇れる義務教育で身につけているから、日本の大学に必要とされるテクニカルな受験勉強などやらずに、高校の3年間は本当に自由に使える時間にしたら素晴らしいことが起きるのではないか。無意味な受験対策用の作業時間をゼロとすることで、可処分学び時間を最大化する。そして、その時間を将来のキャリア形成のための動機の発見や意識づけ、探索に充てるべきである。
英語を学ぶ時代はもう終わっている。これからのグローバル人材は、世界標準語である英語を学びの道具として自由に使いこなす必要がある。
著者 大谷真樹
1961年生まれ。インフィニティ国際学院 学院長 学校法人光星学院 理事 国際教育局長 八戸学院グループ 代表取締役 NEC勤務を経て、フジテレビ報道局報道番組で辺境地を中心とした海外取材を行うかたわら、インターネットを利用したリサーチシステムを開発。 インフォプラント(現マクロミル)を創業。2001年に起業家のアカデミー賞といわれる『アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー・スタートアップ部門優秀賞』を受賞。 2008年に八戸学院大学客員教授、2010年に八戸学院大学・八戸学院短期大学総合研究所所長・教授、2011 年に八戸学院大学学長補佐、2012年から2018年まで八戸学院大学学長を務める。 大学では「中小企業・ベンチャー企業論」「イノベーションマネジメント」等の科目を担当。社会人講座「起業家養成講座」の主任講師も務め、多くの起業家を輩出している。
帯 マネックス証券会長 松本 大 |
帯2 元Google副社長 村上 憲郎 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.2 | 2分 | |
Chapter1 日本はすでに先進国ではない | p.11 | 15分 | |
Chapter2 世界に通用する人材の条件 | p.39 | 16分 | |
Chapter3 お金に使われないために | p.69 | 18分 | |
Chapter4 「学びの本質」に程遠い日本型教育 | p.103 | 17分 | |
Chapter5 2030 に生き残るために | p.135 | 20分 | |
おわりに | p.172 | 2分 |