STEM教育による理系人材だけでは、優れたイノベーションは生み出せない。テクノロジーの民主化によって、むしろ文系人材の価値が高まるとし、これからの時代に必要な教育とは何かを論じる一冊。
■リベラルアーツの必要性
スタンフォード大学では人文科学や社会科学を学ぶ学生は「文系(ファジー)」、工学や自然科学を学ぶ学生は「理系(テッキー)」と呼ばれている。
従来のリベラルアーツ、つまり文系科目に浸かりきった人々には、明日のハイテク主導経済で成功する準備ができていない、なぜなら彼らはSTEM(科学、技術、工学、数学)分野で求められる職能を持っていないからだ、という主張が今日広く信じられている。しかしそれは逆だ。彼らこそ、めまぐるしく進化する経済の中で成功するために必要不可欠な知識とスキルを持っている。実のところ、テクノロジーが人々にとって身近で大衆的なものへと進化し、いたるところで目にするようになるとともに、リベラルアーツの意味合いを問い続け、人の欲求と欲望について深く考察することが、技術ツールを開発する上で必要不可欠の要件になってきた。
この世の中で最も深刻な諸問題の解決策を見つけるには、コンピューターのコードだけでなく、人と人との関係性を理解する必要がある。倫理もデータも、深く思考する人々も深層学習する人工知能も、つまり人と機械の両方が求められている。
かつてないほどのスピードで変化し続ける今の世界で、知的機動力、創造性、そして新たな領域を探りたいという好奇心への需要はこれまでになく高い。
著者 スコット ハートリー
ベンチャーキャピタリスト スタンフォード大やコロンビア大を卒業後、グーグルやフェイスブック、ハーバード大学バークマン・センターを経て、シリコンバレーのベンチャーキャピタル、サンドヒル・ロードなどでインベストメント・パートナーを務めた。オバマ大統領の元イノベーションフェロー。
帯 小西美術工藝社社長 デービッド・アトキンソン |
帯2 Alphabet会長 ジョン・ヘネシー |
帯3 IDEO CEO ティム・ブラウン |
帯4 ニュー・アメリカ 社長兼CEO アン・マリー・スローター |
帯5 スタンフォード大学教授 フェイ・フェイ・リー |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
文系はファジー 理系はファジー | p.1 | 2分 | |
第1章 理系社会における文系人間の役割 | p.9 | 31分 | |
第2章 ビッグデータに人間的要素を加える | p.53 | 26分 | |
第3章 技術ツールの民主化 | p.91 | 28分 | |
第4章 我々に仕えるアルゴリズム――我々を従えるのではなく | p.131 | 24分 | |
第5章 テクノロジーの道徳性を高める | p.165 | 32分 | |
第6章 「学び方」を高める | p.211 | 33分 | |
第7章 今より素晴らしい世界をつくる | p.259 | 29分 | |
第8章 仕事の未来 | p.301 | 25分 | |
最終章 文理融合の最強タッグ | p.337 | 8分 |
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