6年間の参議院議員を経て、ワタミの経営に戻った著者による、中小企業経営者へ向けたメッセージ。政治が何もできない実情を目撃し、日本の財政が破綻する日が近いと警鐘を鳴らし、日本の財政破綻に企業や個人は準備するべきと説く。
■右肩下がりの時代に膨れ続ける国家予算
国会関連の会議に出席すると、国会議員たちは「予算をどれだけ増やすか?」という話し合いばかり。国会には「予算委員会」があるが、予算の話すらしない。参議院には決算委員会というものがあるが、ここでも決算についてほとんど議論しない。費用対効果を高めるという感覚が、国会には欠如している。霞ヶ関では、1億円を使い切るのが優秀な人材。8,000万円に削減するという発送はない。そんなことをすると、次年度の予算が8,000万円に減らされてしまうからである。予算1つ取っても、完全な既得権になっている。
2019年度の国の一般会計予算は、約101兆円。7年連続で過去最高を更新している。人口も経済規模も縮小しようとしている時代にあって、国家予算は膨れ続けている。日本は戦後、ずっと右肩上がりで成長してきた。それに伴い税収も増え続けてきた。全ての仕組みが右肩上がりを前提にしている。少子化に伴って人口減少が始まった日本は右肩下がりの時代に突入したが、この現状に国は対応できていない。
企業も個人も、政治に関心を持ち、この国の将来の行く末を予測し、自らのリスクを正しく把握して、自己防衛しなければならない。
著者 渡邉 美樹
1959年生まれ。ワタミ代表取締役会長兼グループCEO・元参議院議員 ワタミグループ創業者。外食・介護・宅食・農業・環境等の事業を展開し、「独自の6次産業モデル」を構築。日本経団連理事、政府教育再生会議委員、神奈川県教育委員会教育委員、日本相撲協会「ガバナンスの整備に関する独立委員会」委員、観光庁アドバイザーを歴任。 現在、「学校法人郁文館夢学園」理事長、「公益財団法人School Aid Japan」代表理事としてカンボジア・ネパール・バングラデシュでの学校建設(308校)・孤児院運営、「公益財団法人みんなの夢をかなえる会」代表理事として、実践経営塾「渡美塾」や若者の夢の支援、「公益財団法人Save Earth Foundation」代表理事として、限りある自然資源を有効利用し、持続可能な循環型社会づくりにも携わる。 「医療法人盈進会岸和田盈進会病院」元理事長として、病院経営も経験。2011年、行政に経営を持ち込むため東京都知事選に立候補。101万票を獲得。同年6月より、岩手県陸前高田市参与(震災復興支援)に就任。 2013年、参議院選挙(全国比例区)において、104,176票を獲得し当選。財政再建と脱原発をはじめ、6年間、経営社の視点で政策提言をつづけ、「外交防衛委員長」も経験する。 2019年、参議院議員を退任し、ワタミ株式会社取締役ファウンダーとして経営復帰。
帯 演出家 テリー伊藤 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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プロローグ | p.11 | 8分 | |
第1章 破綻 | p.27 | 31分 | |
第2章 出馬 | p.87 | 24分 | |
第3章 危機 | p.133 | 30分 | |
第4章 ワタミモデル | p.191 | 23分 | |
第5章 経営者育成 | p.235 | 10分 |
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