アマゾンが、1997年から株主に宛に毎年公表するレター21年分を分析し、そこからジェフ・ベゾスの考え方と成功の法則を導いた一冊。
■リスクを活用する
リスクと事業の成長との間には切っても切れないつながりがある。アマゾンの成長を牽引したのは、リスクをとって活用するというベゾス独自の手法と、ベゾスが実験と発明を重視する企業文化の形成に力を注いだことにある。そして、その基盤になったのは、成功と失敗に対するベゾスの考え方だ。
ベゾスは、毎年株主向けにレターを発表している。このレターを見れば、アマゾンの創業から現在までのベゾスの考え方や戦略がすべてわかる。ベゾスは、リスクと成長とが絶妙な緊張関係にあることをわかっていた。そこで、常に「リスク利益率(リスクにかかるコストとそれに対するリターン)」を分析した。ベゾスにとってリスクとは、意図的かつ計算が立つものだった。
レターに書かれているのは、どんな業種のどんな事業でも役に立つ法則だ。この原則を「成長サイクル」と「成長への14ヵ条」と名付けた。成長サイクルとは「実験」「構築」「加速」「規模の拡大」の4つで、成長への14ヵ条の各項目は成長サイクルのいずれかに当てはまる。ベゾスは、ほぼどの事業に対してもこの成長サイクルを使っている。
■成長への14ヵ条
●実験
①「いい失敗」を促す
②大きなアイデアに賭ける
③ダイナミックな発明や革新を実践する
●構築
④顧客にこだわる
⑤長期的な考え方を採用する
⑥自分の「弾み車」を理解する
●加速
⑦決定は迅速に行う
⑧複雑なことを単純化する
⑨テクノロジーで時間を短縮する
⑩所有者意識を持たせる
●規模の拡大
⑪企業文化を守る
⑫高水準を重視する
⑬重要な項目を計測し、計測項目を疑い、自分の直感を信じる
⑭常に1日目だと信じる
著者 スティーブ・アンダーソン
ビジネスコンサルタント 専門分野はリスク、テクノロジー、生産性、革新性。保険業界で35年以上のコンサルティング経験がある。 保険法で修士号を取得。講演と執筆の実績も豊富で、「フューチャリスト」でもある。これまで行ってきた講演のテーマは、テクノロジーの未来、SNSプラットフォームの影響力、ビジネスに役立つインターネットの活用法やリスクの評価法など。 リンクトインによる「影響力のある150人」に選ばれた経験があり、34万人以上のフォロワーがいる。
著者 カレン・アンダーソン執筆コーチ 出版コンサルタント 出版界で30年以上活躍するとともに、ダイレクトレスポンスマーケティングの経験も豊富。その影響力は『ニューヨーク・タイムズ』や『USAトゥデイ』などが選ぶベストセラー書籍の多数に及ぶ。
帯4 作家 ダン・ミラー |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
帯 出版社元会長兼CEO マイケル・ハイアット |
帯2 ウォルト・ディズニー・ワールド リゾート元上級副社長 リー・コッカレール |
帯3 アシュレックス・グローバル社長兼CEO ジム・ハクバース |
帯5 THIS Inc. CEO グレッグ・マキューン |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
リスクと成長 | p.13 | 6分 | |
なぜベゾス・レターなのか? | p.23 | 10分 | |
アマゾン「成長への14カ条」 | p.39 | 2分 | |
1997年版レター(全文) | p.42 | 6分 | |
第1条 「いい失敗」を促す | p.54 | 12分 | |
第2条 大きなアイデアに賭ける | p.73 | 12分 | |
第3条 ダイナミックな発明や革新を実践する | p.91 | 10分 | |
第4条 顧客にこだわる | p.108 | 11分 | |
第5条 長期的な考え方を採用する | p.125 | 11分 | |
第6条 自分の「弾み車」 を理解する | p.142 | 8分 | |
第7条 決定は迅速に行う | p.153 | 16分 | |
第8条 複雑なことは単純化する | p.178 | 13分 | |
第9条 テクノロジーで時間を短縮する | p.199 | 10分 | |
第10条 所有者意識を持たせる | p.214 | 8分 | |
第11条 企業文化を守る | p.228 | 12分 | |
第12条 高水準を重視する | p.247 | 11分 | |
第13条 重要な項目を計測し、計測項目を疑い、自分の直感を信じる | p.264 | 10分 | |
第14条 常に1日目だと信じる | p.280 | 8分 | |
リスクと成長の精神 | p.292 | 10分 | |
アマゾンのその先へ | p.308 | 8分 | |
2018年版レター(全文) | p.321 | 11分 |
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