変化の激しい時代に過去の成功大変や常識は通用しない。企業にはびこるベストプラクティスという思考停止を打ち破る方法を紹介している一冊。
■ベストプラクティスには賞味期限がある
盲目的に先人たちがやってきたことが詰まったプレイブックに従い続けると、平均的な企業は存続の危機に繋がる時代に、私たちは突入している。「爆破」はこのような問題に対する解決策である。
「いつもこうしてきたのだから」という答えが返ってきたら、習慣的な決定や選択を支配している考え方、すなわち常識の問題だということがわかる。人はこのような行動のロジックに疑問を投げかけるのを怠りがちだ。それは無意識の選択であり無難な方法に過ぎない。しかし、常識とされる行動は、その起源となった理由から隔てれば隔てるほど問題が発生する。
ベストプラクティスの中には、形成された時点で優れていても、一般に広まった際にうまく適用できないものもある。ある状況においては賢明なものでも、状況が変わると、時間とお金の無駄となるため、放棄する必要が出てくるものもある。ベストプラクティスに従うのが鉄則である状態から、ベストプラクティスが問題解決のために考えられるいくつかの方法の1つしかない状態へと変えていく必要がある。
企業のプレイブック、すなわち常識を明文化したものは、一から書き直す必要がある。
モニターデロイト プリンシパル/最高戦略責任者 デロイトの米国エグゼクティブ・リーダーシップ・チームのメンバー。デロイト入社前はモニターグループのパートナーで、ニューヨーク・オフィスの統括責任者であった。 不確実性に直面した際に厳しくかつ現実的な戦略的選択を行うことで、経営幹部やそのチームが組織を変革するのを支援する。長年の間にモニターデロイトが開発し、活用した多様な戦略手法を構築したのみならず、その実践のエキスパート兼教師でもある。 消費財、通信、メディア、ヘルスケアなど多様な業界にクライアントをもち、企業が厳格さと創造性を組み合わせて自らの将来を形成するのを支援している。それ以前はフォーブスで戦略担当ディレクターであった。
著者 ジェフ タフデロイトコンサルティング プリンシパル イノベーションおよびアプライド・デザインのプラクティス担当上級リーダー。その前はデロイトのイノベーション・デザイン専門部隊Doblinを率いた。 デロイトによる買収前はモニターグループの上級パートナー兼世界全体の取締役会のメンバーであった。前身企業も含めてモニターに25年以上勤務した。 仕事の中心は、クライアントが事業を変革し、従来にない方法で成長し市場競争するのを支援することである。キャリアを通じてほぼどの業界にもコンサルタント業務を提供してきた。豊かな経験を活かし、業界の常識に固執するクライアントに、どのように状況が展開する可能性があるかに関する新たな知見を提供している。 問題解決への総合的アプローチで定評がある。分析と戦略に関する深い専門知識とデザイン思考に見られるアプローチへの自然志向とを組み合わせられる。 イノベーションを通じた成長に関して活発な講演や執筆を行い、ハーバード・ビジネス・レビューなどさまざまな刊行物に寄稿している。
帯 早稲田大学ビジネススクール教授 入山 章栄 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.3 | 4分 | |
第1章 一触即発:常識という名の危険なルール | p.20 | 14分 | |
第2章 火花:悪循環の加速 | p.43 | 17分 | |
第3章 座標:狙いを定めて爆破する | p.71 | 17分 | |
第4章 財務計画を解体せよ:収益を気にするのは最後でよい理由 | p.100 | 13分 | |
第5章 カレンダーを廃棄せよ:戦略プランスケジュールはほぼ時間のムダだ | p.122 | 10分 | |
第6章 専門知識に抗え:シンジケート・データが生む競争優位はゼロ | p.138 | 11分 | |
第7章 インサイトを覆せ:顧客は自分の考えは語れない | p.156 | 13分 | |
第8章 コントロールを放棄せよ:事業機会管理システムを捨てる | p.178 | 13分 | |
第9章 陳腐なスローガンは破り捨てろ:失敗を称えるのは凡庸の言い訳 | p.200 | 11分 | |
第10章 無常観を取り入れろ:組織図とキャリアパスは賞味期限切れ | p.218 | 8分 | |
第11章 どこから手を付けるか:1カ所を選んでDetonateのマインドセットを適用する | p.232 | 12分 | |
第12章 リーダーは何をすべきか:よりよい質問によって加速せよ | p.252 | 9分 | |
第13章 実用最小限の考察 | p.266 | 10分 |
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