高齢化が進み、就農人口が減り続ける農業において、既存の枠組みにとらわれず、新しい取り組みをする10人の事例を紹介している一冊。最新のテクノロジーに取り入れる事例など、これまでの農業のイメージを覆す内容が書かれています。
■衰退していく日本の農業
農業就業人口は2000年389万1000人から、2018年175万3000人と半減。この内65歳以上が120万人で、平均年齢は66.8歳。企業人なら定年退職している世代が主力選手として働いている。稼ぎも少なく、時給722円。97%弱の家族経営の農業生産者は、最低賃金以下の時給で働いている。
農業全体の産出額はピークだった1990年11.5兆円から2017年9.2兆円に減少。畜産だけは3.1兆円から3.3兆円に増加しているが、米、野菜、果実は6.8兆円から5兆円に落ち込んでいる。深刻なのは耕作放棄地で42.3万haにのぼり、これは滋賀県の面積に匹敵する。結果として、日本の食料自給率は37%で過去最低を記録した。
これに対して規制緩和による、農業の大規模化や企業参入が行われているが、活性化の起爆剤になるような効果は出ていない。企業参入は3030法人となっているが、農業は収穫まで時間がかかる上に、天候などの不確実要素が多いため、黒字化している企業は少ないと予想される。
日本の農業の凋落に歯止めをかける鍵を握っているのは、従来の農業の常識に縛られない斬新な発想である。
著者 川内 イオ
1979年生まれ。稀人ハンター フリーライター 広告代理店勤務を経て、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年バルセロナに移住し、ライターをしながらラテンの生活に浸る。2010年に帰国、編集者としてビジネス誌編集部などで勤務後、2013年より再びフリーランスに。 現在は「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして全国を巡り、多数のメディアに寄稿。仕事と生き方の多様性を伝えることをライフワークとする。
帯 インターステラテクノロジズ創業者 堀江 貴文 |
帯2 一橋大学大学院教授 楠木 建 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 5分 | |
第1章 イノベーターたちの登場 | p.17 | 35分 | |
第2章 生産・流通のシフトチェンジ | p.81 | 27分 | |
第3章 常識を超えるスーパー技術 | p.131 | 39分 | |
おわりに | p.203 | 1分 |