1976年まで民間企業がゼロで、国家主導型経済だった中国は、35年の間に大きく変貌した。現在では中国人起業家が主役となり、民間部門が経済を牽引する中国経済の変遷と要因、中国人起業家の姿を紹介する一冊。
■中国人起業家たちのマインドセットの変化
中国は既に「模倣大国」のレッテルをはぎ取り、過去10年間にIT部門をGDPの2倍の速さで伸展させてきた。2019年胡潤グローバルユニコーン企業ランキングによれば、中国のユニコーン企業は206社で、米国203、3位のインド21を上回って世界最多である。
いくつかの要因が、中国で急速に育ちつつあるイノベーションの文化をもたらしてきた。1つ目の最大の要因は「私にもできるはずだ」というマインドセットだ。改革開放路線の初期、多くの中国人起業家は自分自身の経済状況と、中国以外の国々の大実業家たちとの大きな落差を目の当たりにした。その悔しさに突き動かされて懸命に働き、自分たちも成功できることを世界に示してきた。やがて成功を収める中国人起業家たちが現れてくると、彼らが他の中国人たちのロールモデルとなり、特に若い世代の起業家たちは、そうしたロールモデルの成功例を自ら再現することを望んだ。
中国はたった35年で国家統制型から市場主導型の経済へと変貌させた。この創造的破壊者たちは将来、2010年代後半以降にかけて、さらに目覚ましい影響をグローバル経済に及ぼすだろう。
著者 エドワード・ツェ
ガオ・ファン・アドバイザリー・カンパニー創業者兼CEO 国内外を問わず、多数の会社の戦略立案および適用を助けるかたわら、世界銀行、アジア開発銀行、中国政府にも協力し、中国の経済改革政策に関連する諸問題に取り組んでいる。 『ハーバード・ビジネス・レビュー』『Strategy+Business』『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』『チャイナデイリー』等にもエッセイや記事を寄稿している。
帯 ハイアールCEO 張 瑞敏 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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序日本語版によせて | p.6 | 7分 | |
はじめに われらの時代の企業 | p.18 | 20分 | |
第1章不可能はないAnything Is Possible | p.51 | 24分 | |
第2章門戸を開放するWide Open | p.91 | 19分 | |
第3章やるか、さもなくば死かDo or Die | p.123 | 19分 | |
第4章海外へOutbound | p.155 | 18分 | |
第5章変化する中国Changing China | p.185 | 22分 | |
第6章正しい反応The Right Response | p.221 | 21分 | |
第7章機会の国The Land of Opportunities | p.255 | 20分 |