自分を変えるためには「意志力」はほとんど使えない。人は誰もが環境によって、つくられていると解説し、周囲の環境を変えることで、自分を変えるための方法を紹介しています。
■意志力は役に立たない
情報とテクノロジー革新によって、多くの人が急激な環境変化の犠牲になっている。新しいルールに則った新しい世界で自分を律することができずに、様々な中毒に屈している。「テクノロジー」中毒に加え、炭水化物や糖分を多く含む「食べ物」や「カフェイン」、「仕事」といった刺激物に中毒している。その結果、ほとんどの人が常にストレスと睡眠不足に陥ってしまっている。
依存状態が当たり前になっている自分の人生をコントロールするには、その方法に意志力を選んではならない。変わろうとして歯を食いしばりながら努力しても、効果はない。意志力とは筋肉のようなものだ。有限なリソースであり、使用と共に消耗していく。その結果、忙しい1日が終わる頃には、意志力という筋肉は疲弊し、無防備な状態になる。
意志力とは、自分が人生で何をしたいのかまだよくわからない人のためのものだ。意志力の代わりに必要なのは、環境を自分で作り出し、それをコントロールする力だ。
意志力は自己改革に効果を発揮する取り組み方ではない。意志力は表面的なところで終わるなら使える。しかし、意志力を使って理にかなった結論を導きたいのなら、うまくはいかない。
自分を一番強力に変える方法は、自分の外にある環境を活用することだ。環境を変化させれば、自分が変わらざるを得なくなる。自分の外の世界を今のままで変えないのなら、変化を起こすことは決してできない。
著者 ベンジャミン・ハーディ
組織心理学者、著作家 ブログ・サービス「Medium」で多くのフォロワーを持ち、そのネット上のプレゼンスと影響力は、『フォーブス』『サイコロジー・トゥデイ』『フォーチュン』などで取り上げられた。 心理学専門誌の電子版「サイコロジー・トゥデイ」などに寄稿中。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
帯 HUFFPOST創業者 アリアナ・ハフィントン |
帯2 ジーニアス・ネットワーク創設者 ジョー・ポーリッシュ |
PRESIDENT 京都大学大学院人間・環境学研究科教授 鎌田 浩毅 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.2 | 10分 | |
1章 科学が存在を認めた「場所」の効果 | p.34 | 16分 | |
2章 「遺伝子」にすら影響が及ぶ | p.59 | 15分 | |
3章 これが「最有効戦略」だ | p.82 | 8分 | |
4章 ねらって「至高状態」になる | p.96 | 11分 | |
5章 「神聖な場所」を作る | p.113 | 7分 | |
6章 すべてを「整理整頓」せよ | p.124 | 15分 | |
7章 最初から「悪い選択」がないようにする | p.147 | 18分 | |
8章 「サボタージュ」に反旗を翻す | p.175 | 8分 | |
9章 能力の底上げが「不可避」な状況 | p.188 | 16分 | |
10章 「つらい経験」がないとダメ | p.212 | 19分 | |
11章 「やる気」を外から取り込む | p.241 | 23分 | |
12章 ニュー・ワークルール | p.277 | 11分 | |
13章 「誰といるか」が極めて重要 | p.294 | 13分 | |
14章 「古巣」は偉大 | p.314 | 8分 | |
10年間の研究の結論 | p.326 | 5分 |
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