GAFAなどのプラットフォーマーが提供するサービスは便利である一方、その仕組みはブラックボックスで、フェアとは限らない。こうした状況において、私たちはどう対応すべきかを説いている一冊。
■アルゴリズム・フェアネスとは
「アルゴリズム」は「数学やコンピュータで問題を解くための手順を定式化したもの」である。衣食住すべて、あるいは働き方や新しい友人や恋人まで、問いかければ優先順位つきで回答を返してくれる。アルゴリズムを利用すれば、各人の事情を踏まえた上で、幅広い選択肢を提供してくれる。
一方、アルゴリズムは便利すぎるがゆえに、大事なことを見失いかねない。私たちは気づかないうちにある方向へ誘導されてしまう可能性が十分にある。そこに歯止めをかけるのが「フェアネス」である。「フェアネス」とは「公平・公正」という意味である。
GAFAそれぞれのアルゴリズムに悪意はない。むしろ、フェイクニュースを発信するようなユーザーの悪意を、いかに摘み取るかに日夜腐心している。それぞれがフェアネスを追求している。
国家にも匹敵するプラットフォームが出現したが、それらの提供するアルゴリズムは必ずしもフェアとは限らない。アルゴリズムにフェアネスを求めるためには、ユーザーが監視し続け、アンフェアに対しては声を上げることが大切である。
著者 尾原 和啓
1970年生まれ。IT批評家・藤原投資顧問シニアアドバイザー マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート(2回)、Google、楽天(執行役員)などの事業企画、投資、新規事業などに従事。現在は、インドネシアのバリ島に居を構え、日本と往復をしながら現職を務める。 ボランティアで「TED」カンファレンスの日本オーディションに関わるなど、米国シリコンバレーのIT事情にも詳しい。
帯 著作家 山口 周 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.1 | 3分 | |
序 章 「アルゴリズム フェアネス」とは何か | p.15 | 12分 | |
第1章 AIが生み出すワクワクする新世界 | p.39 | 16分 | |
第2章 国家を超えるプラットフォームの権力 | p.71 | 23分 | |
第3章 「国というアルゴリズム」が選べる時代 | p.115 | 29分 | |
第4章 ブロックチェーンと究極のフェアネス | p.171 | 17分 | |
第5章 自由を増やす「ハンマー」を手にしよう | p.205 | 18分 | |
おわりに | p.240 | 4分 |
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