問いを深め、本質をとらえる方法
①問いを集める
真の問題解決とは、適切な課題設定を前提とする。課題となっている問いに関する「さらなる問い」を集めることから始める。
もし課題に対する意見や主張が浮かんでも「疑問のカタチ」に変換してみる。問いには、色々な問いが紐づいていて、その背景には多くの前提や、隠れていた疑問があることがわかる。「片っ端から問いを出す」というルールを設定すると、バイアスから解放され、意外な選択肢を引き出す。課題に対する「答え」ではなく、課題に関する「問い」を出していくことで、「常識的にはあり得ない視点」「ぶっ飛んだ発想」が得られる。
②問いを整理する
たくさんの問いをあげると、視野が広がる反面、色々な視点が出すぎて、頭がごちゃごちゃになる。そこで、より考えやすくするために、似ている問いをグループ化して、それぞれが何を言いたかったのか整理する。「定義」「時間」「場所」「条件」「価値」「手段」など、色々な視点で考え、グループ化する。
問いをグループ化したら、優先順位をつける。候補の中から「直接的には解決策にならなそうでも、モヤモヤ違和感がある問い」からスタートする。
③議論を組み立てる
論理的な規則だけからは新しい発想は生まれない。哲学シンキングは「なぜ、そう言えるのか」「そもそも〇〇とは」「もし、〇〇だったら」などと問いを重ね、結論や推論、前提を疑いながら、議論を組み立てていく。
合理的な議論体系を組み立てるだけでなく、その過程で生まれる問いに問いを重ねて「別の可能性=分岐点」を押し広げ、「隠れた前提」を見つける。最初は素朴だった問いが。1つの木のように枝葉を伸ばし「1つの体系」になっていく。A4の紙に、樹形図のような体系を描いていく。
④別の視点から議論を組み立てる
優先順位づけで後回しになった問いについても、議論を組み立てる。
⑤新しい洞察・視点を発見する
出来上がった樹形図を、分析したり比較したりして、新しい視点や洞察を発掘する。哲学シンキンにおいては、適宜、それまでの議論を反復して振り返ることが必要である。分析・比較を通じて、「答え」でなくとも、思考のフレームが拡張され、新しい「問い」が出てくることで、最初には思いつかなかった視点が生まれる。
「起こっている問題の真因はどこにあるか」を見つける問いを立てることこそ、「課題解決」の前に重要である。課題解決の前に必ず「問い」で「問題の中心」を整理することで、新しい視点を発見することができる。