リンクトイン創業者が、急成長するスタートアップに共通する戦略を紹介している一冊。常識に反する非効率な戦略も企業の成長ステージに応じて求められるということが書かれています。
■ブリッツスケーリングとは
「ブリッツスケーリング」とは、企業が信じられない速度でスケールアップするための一般的なフレームワークと特定の手法の両方を指す。ブリッツスケーリングはあらゆる直感に反するアプローチだから、苦難の道でもある。
常識的なビジネス戦略では、まず情報を収集し、最も成功の可能性が高そうな手段を選択する。常識に従えば、リスクは引き受けるが「計算されたリスク」に留める。一見、慎重で堅実に見えるこの方法は、残念ながら新しいテクノロジーが登場して市場の構造を根底から変えてしまった場合には通用しない。乱戦になってしまえば、リスクは非効率から生じるのではなく、「慎重すぎる」ところから生じる。負ければそこまでの効率性は高かろうが低かろうが全く意味がない。
ブリッツスケーリングではスピードを最優先し、効率を犠牲にする。しかもその犠牲が有効なものであったかどうか、結果を確認する暇も惜しむ。
■プロダクト・マーケットフィット後に爆発的に成長させる
資本市場と人材市場に目処がつけば、ブリッツスケーリングの準備ができたことになる。この時点で、達成目標は「ゼロをじっくり1にする」ことではなく、「ごく短期間で1を10億にする」ことに切り替わる。
企業はその成長のライフサイクルの中で異なったスケーリング戦略をとらねばならない。典型的なスケーリングのシナリオでは、グーグル、フェイスブックなどの急成長企業はまず伝統的なスタートアップの戦略でスタートした。そして、プロダクト・マーケットフィットが確認できた時点でブリッツスケーリングにシフトしている。そしてライバルを打倒し、市場を支配するだけの臨界質量を獲得している。その後ビジネスが成熟した段階で成長速度を緩め、ファーストスケーリングに戻り、最後に市場の支配者になった段階で、伝統的な効率と安定性を重視する成長戦略に落ち着いている。
著者 リード・ホフマン
1967年生まれ。リンクトイン 共同創業者兼会長 世界的に著名な起業家にして投資家。ペイパルの創業時から取締役会に名前を連ね、上級副社長も務めた。現在はシリコンバレーの主力ベンチャー・キャピタル、グレイロック・パートナーズの共同経営者を兼ねる。フェイスブックやジンガなど、100 社を超えるテクノロジー企業に早い段階から投資を行っている。
著者 クリス・イェPBworks バイスプレジデント Wasabi Ventures 共同創業者、ゼネラル・パートナー 起業家、著作家、メンター。
帯 エアビーアンドビーCEO ブライアン・チェスキー |
帯2 マイクロソフト創業者 ビル・ゲイツ |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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イントロダクション | p.8 | 21分 | |
第1章 ブリッツスケーリングとは何か? | p.38 | 25分 | |
第2章 ビジネスモデルのイノベーション | p.74 | 63分 | |
第3章 戦略とイノベーション | p.166 | 21分 | |
第4章 マネジメントのイノベーション | p.196 | 79分 | |
第5章 さまざまな分野のブリッツスケーリング | p.312 | 33分 | |
第6章 責任を伴うブリッツスケーリング | p.360 | 12分 | |
最後に | p.378 | 5分 |
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